中国の格安ティードリンク「MIXUE」、日本ではもう安くない。主力商品一斉値上げ

AI要約

中国発のソフトクリームとティードリンクチェーン「蜜雪冰城(MIXUE)」が日本市場で価格改定を行い、原材料費や費用の上昇を理由に値上げした。

日本進出後1年で急拡大し、コストパフォーマンスの高さを強調していたMIXUEは、ココトカなどよりも明確に安い価格設定で注目を集めていた。

MIXUEは日本で店舗を展開し、若い女性を中心に客層を形成。東アジア諸国にも進出するなど、グローバルな展開を強化している。

中国の格安ティードリンク「MIXUE」、日本ではもう安くない。主力商品一斉値上げ

中国最大のソフトクリームとティードリンクチェーン「蜜雪冰城(MIXUE)」が日本に進出してからはや1年。「激安」を売りに急拡大を遂げた同社はこのほど、7月9日から日本市場にける一部商品の価格を20~180円引き上げたと発表した。原材料費の高騰と大幅な為替変動に加え、物流費や光熱費、人件費の上昇が要因となり、値上げに踏み切ったという。

MIXUEは、日本でもコストパフォーマンスの高さを強みにしている。改定前の価格は、ミルクティーが200円程度から、タピオカミルクティーは360円。先に日本進出を果たし、東京にも多くの店舗を展開する「貢茶(ゴンチャ)」や「CoCo都可(ココトカ)」よりも圧倒的に安い。

価格改定前のある日、筆者がMIXUEの池袋店を訪れると、店頭に置かれたイメージキャラクター「雪王」を囲んで日本人グループが記念撮影をしているところに遭遇した。

店内に入ると、3人のスタッフがレジ作業やドリンクづくりを担当し、280円のドリンクを2杯準備していた。スタッフは全員が中国人で、日本語と中国語で接客している。来店客は日本の若い女性がほとんどで、平日の午後ということもあり、学生もひっきりなしに入ってくる。一方、すぐ近くにある中国発のコーヒーチェーン「Cotti Coffee(庫迪咖啡)」池袋店は、来店客の半分が男性で、店内に喫煙室も設けられており、ターゲットとする客層がまったく異なる印象だった。

店内の入り口そばに置かれた原材料入りのダンボール箱には、「出口日本(日本向け輸出)」と記されており、原材料の茶葉などが中国産であることがはっきり分かった。

MIXUEは2023年6月に日本1号店をオープンし、24年7月までに東京の池袋や表参道のほか、大阪や神戸などに計5店舗を出店している。今回の値上げ後の7月12日、日本でのフランチャイズ募集を発表し、日本展開を加速する方針を明らかにした。

MIXUEが2024年1月に香港取引所に提出した上場目論見書によると、23年9月末時点で世界の店舗数は3万6000店を超えていた。うち海外店舗は約4000店で、主な進出先はインドネシアやベトナムなどの東南アジア諸国だった。

ちなみに、この目論見書はすでに失効しており、現在のところ同社が改めて目論見書を提出したとの情報はない。

作者:明亮公司(WeChat公式ID:suchbright)

(編集、翻訳:田村広子)