東武日光特急の素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない

AI要約

東武の日光特急は、日光と鬼怒川へのアクセス手段として利用される特急列車で、浅草駅から運行されている。

浅草駅と新宿駅からの運行や国鉄・JR東日本の日光線との競争が激しい歴史を持ち、東武が日光方面で地位を確立するまでの競争が繰り広げられた。

東武日光特急の最高スペック車両である1720系「デラックスロマンスカー」、100系「スペーシア」、N100系「スペーシアX」は豪華な車内設備で知られ、日本屈指の豪華特急として人気を集めている。

東武日光特急の素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない

 東武の日光特急とは、浅草駅から東武スカイツリーライン・日光線を経由して運行される列車のことで、運賃とは別に特急料金が必要となる。

 東武日光駅発着と鬼怒川温泉駅発着の2種類がある。東武日光駅までを結ぶ列車は「けごん」、鬼怒川温泉駅までを結ぶ列車は「きぬ」の愛称で親しまれている。

 東武の日光特急は、世界的な観光地である日光と、日本有数の温泉地である鬼怒川へのアクセス手段として古くから利用されてきた。

 現在では浅草駅だけでなくJR新宿駅からも発車するようになり、現在でも国内外からの観光客の主要ルートとなっている。

 ただ日光方面はその需要の大きさゆえに、東武のほか、宇都宮から分岐する国鉄・JR東日本の日光線や道路アクセスとの激しい競争が古くから行われてきた。

 特に1950年代から1960年代にかけての国鉄との競合関係は熾烈(しれつ)さを極め、国鉄側は上野や東京、新宿といった主要ターミナルからキハ55系や157系などの当時の最新鋭の車両に準急「日光」を走らせて本格的に対抗していた。

 都心側のターミナルこそ山手線に直結しない浅草で不利な条件を突きつけられた東武は、日光方面の優等列車を快適性でアピールするようになり、国鉄との競争に勝ち、日光方面での地位を確立した。

 そんななか、筆者(前林広樹、乗り物ライター)が「やばい!」と思うのが、

・位性を確立した1720系「デラックスロマンスカー(DRC)」

・バブル期に登場した100系「スペーシア」

・現代のN100系「スペーシアX」

の三つの車両だ。いずれも車内設備の充実度は常識を逸脱しており、定期列車としては日本屈指の豪華特急といっても過言ではない。本稿ではそんな東武日光特急の「やばい!」と思う点をご紹介しよう。

 なお、本稿で扱うのは時代ごとの最高スペックを持つ特急専用車両(N100系「スペーシアX」など)のみであり、かつての急行用車両やその置き換えとなった500系「リバティ」は対象から外して考える。