ネット偽情報の拡散防止へ迅速な投稿削除を提言…有識者会議、SNS運営企業の対応「不十分」

AI要約

インターネット上の偽情報への対応を検討する総務省の有識者会議がSNS運営企業に速やかな対応を求めた報告書案をまとめた。

報告書案では、透明性や説明責任が不十分であり、運営企業に具体的措置を求めるべきであると指摘した。

運営企業が偽情報や偽広告に対応するための要件や具体的な対応策が提案されている。

 インターネット上の偽情報などへの対応を検討する総務省の有識者会議は16日、SNS運営大手に違法な投稿の削除など速やかな対応を求める制度整備や、ネット広告の審査強化などを盛り込んだ報告書案をまとめた。偽情報の拡散を防ぐ狙いがあり、総務省は法整備も視野に検討を進める。

 報告書案では、SNS運営企業への聞き取りなどを行った結果、偽情報への対応について「透明性・説明責任の確保は総じて不十分で、取り組みも十分とは言えない」とした。その上で「制度整備も含め、(運営企業に)具体的措置を求めることが適当」とした。

 運営企業が対応すべき偽情報として、「明らかな誤りが含まれる」「他人の権利を侵害する」「違法」「社会的影響が大きい」などを要件として挙げた。

 違法な偽情報については、行政機関から要請があった場合は速やかに対応を判断し、削除の可否などを通知すべきだとした。一方、「表現の自由」に配慮し、行政機関側には申請状況などの公表を求めた。

 違法な偽情報を繰り返し発信する利用者については、投稿の削除やアカウント停止など、対応の具体化を求めた。違法ではなくても社会的影響が大きい偽情報の場合は、投稿者が収益を得る仕組みを停止するなどの対応が適当だとした。

 著名人になりすました偽広告を通じた詐欺被害が相次いでいることから、SNS運営企業に広告の審査基準の策定や公表も求めた。

 報告書案は意見公募を経て正式決定される見通しで、有識者会議は具体策などの検討を進める。