総務省がネットの偽情報対策案を提示、法整備を継続議論 著名人成り済まし問題を受け

AI要約

総務省は16日、インターネット上の偽情報対策に関する制度案を有識者会議で提示した。

制度案では、SNS上での偽情報拡散を防ぐため、PF事業者に情報の削除基準の策定や広告の事前審査の強化を求める内容が盛り込まれている。

法整備に関しては罰金や課徴金の導入など検討が進められる一方、欧州では既にPF事業者に対応を義務付ける法整備が進んでおり、日本でも実効性の担保が課題となっている。

総務省がネットの偽情報対策案を提示、法整備を継続議論 著名人成り済まし問題を受け

総務省は16日、インターネット上の偽情報対策を議論する有識者会議を開き、交流サイト(SNS)を運営するプラットフォーム(PF)事業者に対し、情報の削除基準の策定や広告の事前審査の強化などを求めることを柱とする制度案を提示した。元日の能登半島地震発生時に偽の救助要請が投稿されたり、著名人に成り済ました詐欺広告が拡散したりするなどSNSでは近年偽情報が横行しており、政府は引き続き法整備も視野に検討を続ける。

制度案では偽情報拡散の背景に人々の関心を集めて経済的利益につなげる「アテンション・エコノミー」の概念があると指摘。情報流通の健全性確保のため、PF事業者には偽情報の削除基準の策定に加え、投稿の表示順位の低下や、偽情報の投稿を繰り返す人のアカウント停止・削除などを求めることが適当とした。

能登半島地震の教訓を踏まえ、災害時には事実情報の積極的な発信や拡散に協力することを要請した。SNS上の詐欺広告対策として本人確認の厳格化や、外部から広告の掲載停止を申し入れる窓口の整備などを求めることも盛り込んだ。

ただ、これらを担保するための法整備については、違反した場合の罰金や課徴金の導入も例示しつつ「検討を進めることが適当」とし、議論が継続されることになった。欧州ではPF事業者に対応を義務付ける法整備が進んでいる一方、日本では強制力を持った措置がなく、実効性の担保が引き続き課題となる。(根本和哉)