北海道から「動くホテル」で一気に関東! 「さんふらわあ さっぽろ」乗ってみた 名物船長がいる!?

AI要約

1972年に運航を開始したフェリー「さんふらわあ」は、関東地方と北海道を結ぶ唯一の旅客船である。

内装や設備が充実しており、さまざまな施設が船内に用意されている。

特に「スイート」船室は上質な設備とサービスが提供され、快適な船旅が楽しめる。

北海道から「動くホテル」で一気に関東! 「さんふらわあ さっぽろ」乗ってみた 名物船長がいる!?

 関東地方と北海道中南部の苫小牧とを結ぶフェリー「さんふらわあ」は、1972(昭和47)年に運航開始した東京~苫小牧航路を始まりとします。その後、1985(昭和60)年に大洗~苫小牧航路も運航開始し、1991(平成3)年よりフェリーを「さんふらわあ」ブランドとし、太陽のマークを船腹に描くようになりました。

 

 そしてこのフェリーが、2024年現在は関東から北海道へ向かう唯一の旅客船です。東京発は1999(平成11)年に廃止のうえ大洗~苫小牧航路に集約され、2006(平成18)年には東日本フェリー(現・津軽海峡フェリー)が撤退したことで、商船三井フェリー(現・商船三井さんふらわあ)の単独運航となりました。

 ちなみに貨物重視のカジュアルな深夜便に「さんふらわあ しれとこ・だいせつ」が、ホテルのような夕方便に「さんふらわあ さっぽろ・ふらの」が投入されています。筆者(安藤昌季:乗りものライター)は2024年6月、苫小牧西港フェリーターミナルから「さんふらわあ さっぽろ」に乗船しました。

 フェリーターミナルへは、JR札幌駅と苫小牧駅からそれぞれ連絡バスが運行され、徒歩乗船に対応しています。連絡バスは16時52分に苫小牧西港に到着。当日は太平洋フェリーの名古屋行き「いしかり」と、シルバーフェリーの八戸行き「シルパープリンセス」も接岸しており、フェリー3隻の競演は壮観でした。ターミナルには、フェリーの展示や模型もある「苫小牧ポートミュージアム」もあります。

「さんふらわあ さっぽろ」(3代目)は2017(平成29)年に就航しました。総トン数1万3816t、全長199.7m、航海速力24ノット(44.4km/h)の大型船です。住宅も手掛ける三井グループの船だけあり、内装は上品な印象を受けました。

 乗船すると「プロムナード」に到着しますが、二層構造で、縦の空間の広がりが贅沢です。ここには様々な施設が集められており、特に5階には案内所、ショップ、キッズランド、記念撮影スペースが並んでいます。キッズランドはカラフルでお洒落、記念撮影スペースには、記念撮影用の船員服と帽子がありました。

 奥へ進むとコインランドリーと紳士展望浴場があり、浴場にはサウナも付いていました。浴場の前にはマッサージチェアもあり、さらに進むと喫煙コーナーやペットルーム&ドッグランスペースがあります。やや離れた婦人浴場の前に牛乳自販機があるのは、北海道発着フェリーらしいです。ベビールームもこの場所にありました。

 6階の「プロムナード」には多くのソファ。船室に持ち出せる本棚もあります。スロットやゲーム筐体のあるゲームコーナーや給湯室もありますが、カップ麺はショップで買う必要があります。ショップは土産物が中心で、美味しい挽き立てコーヒーも販売されています。

 接客設備は7階が「スイート」「プレミアム」です。「スイート」は最上級設備で、応接スペース、寝室、バスルームが分離されたバス・トイレ、バルコニーを備えます(夏季のみチェアとテーブルも設置)。床面積は居室が37.91平方メートル、バルコニーが15.81平方メートルで、合計53.7平方メートルと広め。冷蔵庫にビール、緑茶、ミネラルウォーターが入っています。料金は1人あたり5万4000~7万7000円で、レストランの食事もサービスされます。ソファベッドでの3人利用も可能です。