マック&コーラが伝説的CM曲でコラボし話題…「懐かしさ」が秘める絶大販促効果を識者が解説

AI要約

マクドナルドの新CMには、コカ・コーラの1980年代のCMで使われた楽曲が使用され、懐かしさを感じさせる演出が話題となっている。

同様に、過去の名曲を使ったCMは販促効果が高いとされ、最近でも「サントリー天然水」のCMで20年前の名曲「ハナミズキ」が使用されている。

懐かしさはCMにプラスの効果をもたらすものであり、過去の名曲は新曲よりも認知度が高く、強い影響力を持つことが指摘されている。

マック&コーラが伝説的CM曲でコラボし話題…「懐かしさ」が秘める絶大販促効果を識者が解説

 7月9日から放送が始まったマクドナルドのCMに、長年コカ・コーラのCMに使われた楽曲「I feel Coke」が使われている。乃木坂46の五百城茉央(18)らが出演。ビックマックとコカ・コーラの組み合わせを笑顔で楽しむ様子が、80年代のコカ・コーラのCMを彷彿させる演出で描かれているが、やはり《懐かしい……I feel coke マックとコラボで復活か……》といった声が続々とあがっている。

 同様の例は昨年8月にも見られた。同月30日からテレビで放送を始めた日清のカップヌードルのCMにおいて、1991年に放送されたアメリカ人で元女子プロレスラーのレジー・ベネット出演の滋養強壮飲料「ダダン」のCMを模した演出。出演したのはお笑い芸人なかやまきんに君(45)で、《なかやまきんに君の担担CM見て、直ぐにダダンCM思い浮かべられるの世代バレるね》などと、やはり懐かしさを喜ぶ声が上がっていた。

 声の主は、当時の若者だった世代が中心。バブル景気ということもあり、話題のテレビCMが数多く制作された時代だ。とはいえ、懐かしCMをリメークするのは安易短絡的な気がするが……販売促進効果は期待できるのだろうか?

■コカ・コーラのCMは「隠れた超人気コンテンツです」

「商品や演者が違っていても、CMに“懐かしさ”があれば販促効果はあると思います」と言うのは、放送コラムニストの高堀冬彦氏だ。

 高堀氏は過去のCMと類似する演出があれば、「親子の会話の理由になります」と指摘。併せて、今回のマクドナルドのCMについては、「マックとは縁が薄くなってしまいがちな大人の関心を引けますから」と利点を強調する。1980年代後半のコカ・コーラのCMについても、「隠れた超人気コンテンツです」と、その存在は大きいと説明する。

「モデルの松本孝美さんらが、コカ・コーラのCMからスターになりました。都会編や地方編などがあるのですが、とにかくみんな明るかった。先行きの心配など誰一人としてしていない時代ですから。マックとしては、バブルの回帰など望んでいないでしょうが、明るく前向きな気分を取り戻してほしいのではないでしょうか。それにしてもこのCMに目を付けたのは凄いです」

■「むしろ20年くらい時間が経ったほうが、懐かしくなっていいみたいです」

 併せて高堀氏は、上記のような「別のCMのオマージュ」とまではいかないものの、かつて流行った名曲は、やはりCMに「懐かしさ」を加えるという観点から多用されると指摘する。

 直近の例としては、7月1日から流れ始めた「サントリー天然水」のCMで、今から20年前となる2004年に歌手の一青窈がリリースした「ハナミズキ」が使われていることも、演者を変えつつ懐かしさを追求した例であると指摘する。

「むしろ20年くらい時間が経ったほうが、懐かしくなっていいみたいです」「CMを盛り上げているのは『ハナミズキ』。歌っているのは一青窈ではなく、大妻中野中学校・高校の合唱部です」

 さらには「チューリップの『心の旅』(1973年)がキリンのラガーのCMに使われたのは2006年でした」と、20年を優に超える例もあるとしながら、「過去の名曲はその時代を生きていた人はもちろん知っていますし、生まれていなかった人も教科書などで確実に知ります。名曲ですから。その点、新曲より認知度が高く、強いです」とも語った。

 時に後ろ向きの要素としてすら挙げられる「懐かしさ」だが、ことCMに至ってはプラス要素が満載のようだ。

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 CMは商品名や企業名を伝えるのが至上命題。それゆえ、時にこれらの過剰な連呼が視聴者の不興を買ってしまうこともあるい。しかし、それでも販売促進効果はあるのだという。

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