大学生の娘が週3日アルバイトをして、このままだと扶養控除が受けられなくなるのではと心配です。いくら稼ぐと扶養から外れますか?

AI要約

アルバイト収入にかかる税金の整理

扶養控除の要件と受けられる場合の特典

アルバイト収入が扶養から外れると増える税金額の計算

大学生の娘が週3日アルバイトをして、このままだと扶養控除が受けられなくなるのではと心配です。いくら稼ぐと扶養から外れますか?

Aさんの娘は大学生、「アルバイトが楽しい! 」と週に3日、1日5時間ほど働いているそうです。ただ、Aさんはこのままだと扶養控除を受けられないのかと心配で、いくら稼ぐと扶養から外れてしまうのか知りたいと相談にいらっしゃいました。

最初に、アルバイト収入にかかる税金について整理しておきましょう。学生がアルバイトして得る収入も、会社員の給与と同じように所得税・住民税の対象となります。

所得税では、1年間(1月~12月)の収入が103万円を超えなければ課税されません。アルバイト先が複数あった場合には、全部合計した額で判断します。

もし、「年収が103万円に達していないけど、アルバイトの給与から所得税が源泉徴収されている」という場合は、確定申告をすれば源泉徴収された所得税が払い戻されるでしょう。源泉徴収票は捨ててしまわず、大切に保管しておきましょう。

住民税では、課税となる収入の基準が所得税と少し違い、一般に年収100万円を超えると課税の対象となります。ただし自治体によっては、97万円など違う基準にしているところもあります。

所得税も住民税も、基準の収入を超えても収入すべてに課税されるのではなく、超えた部分に課税されます。ですから、アルバイト収入が少しだけ基準を超えた程度では、納税額は決して多くありません。ただ、基準を超えたことで、親の納税額が増える影響のほうが大きくなるでしょう。

扶養控除は所得控除の1つで、要件を満たした扶養親族がいる場合、課税所得から一定金額を引くことができる制度です。課税所得を減らすことで納税額が抑えられ、親族を扶養している人の経済的負担を減らすことができるのです。

特に19歳から23歳未満の子を扶養している場合、特定扶養親族として63万円の扶養控除を受けることができます。これは、一般扶養親族の38万円より25万円も多くなっています。この年代は大学や専門学校にかかる教育費の負担が大きいですから、控除額が多いと助かりますよね。

特定扶養親族として認められる要件は

・納税者と生計を一にしている

・控除を受ける年の12月31日時点の年齢が19歳以上23歳未満

・年間の合計所得金額が48万円以下(給与収入の場合、年収103万円以下)

となっています。Aさんの娘のアルバイト収入が年103万円を超えると扶養から外れて、Aさんは扶養控除が受けられなくなります。

もし、扶養控除が受けられなくなると、Aさんが納める税額は所得税と住民税でそれぞれ、どのくらい増えるのでしょうか。特定扶養親族に対する所得税の扶養控除額が63万円、住民税の扶養控除額は45万円。所得税率は所得によって異なりますが、今回は10%の場合で計算してみましょう。住民税率は所得に関係なく10%です。

所得税: 63万円×0.1=6万3000円

住民税: 45万円×0.1=4万5000円

合計10万8000円、納税額が増えることになります。