上半期の飲食業倒産、過去最多493件 すし店やバーなどは2倍 年間初の1000件超も

AI要約

飲食業の倒産が前年同期比16.2%増の493件となり、2年連続で過去最多を更新。

業種別の倒産件数では専門料理店が最多であり、バー、キャバレー、ナイトクラブの倒産率が急増。

コロナ関連の倒産は減少傾向にあり、物価高や人手不足による倒産が増加している。

上半期の飲食業倒産、過去最多493件 すし店やバーなどは2倍 年間初の1000件超も

東京商工リサーチ(TSR)は11日、令和6年上半期(1~6月)の飲食業の倒産(負債額1000万円以上)が前年同期比16・2%増の493件となり、2年連続で過去最多を更新したと発表した。倒産は新型コロナウイルス禍への手厚い支援で抑制されてきたが、5年5月に新型コロナが5類に移行した後、人手不足も重なり顕在化したとみられる。TSRは「現在のペースなら、倒産件数が年間初の1000件を超える可能性もある」と指摘している。

業種別の倒産件数では、ラーメン店など「専門料理店」が123件(前年同期93件)と最多で、以下、「酒場、ビアホール(居酒屋)」の98件(同90件)、「食堂、レストラン」の97件(同110件)と続く。

最も増加率が高かったのは「バー、キャバレー、ナイトクラブ」で、前年同期比161・1%増(前年上半期18件、今回47件)。「すし店」も同157・1%増(前年上半期7件、今回18件)と急増した。

このうち、コロナ関連の倒産は244件(同15・2%減)で、飲食業倒産に占める割合は49・4%と3年ぶりに半数を切った。一方で、食材やエネルギー価格上昇など物価高による倒産が32件(同45・4%増)、人手不足による倒産は28件(同33・3%増)と、それぞれ集計開始以来、最多を更新した。

コロナ禍が収束して飲食店に客足が戻り、売り上げは回復傾向にある。しかし、円安による物価高やエネルギー価格の上昇、人件費の高騰などが収益を圧迫している。

TSRでは、コロナ禍当時の手厚い資金繰り支援が、5類移行で終了や縮小となり、「潜在化していた人手不足が再浮上し、さまざまなコストアップが進んでいる」と分析する。現状で円安や物価高も収束の見通しが見えず、「飲食業の倒産が、このペースでは年間初の1000件を超える可能性が高まっている」としている。