米民主党、トランプ氏の政策目標を標的に-バイデン氏への疑念かわす

AI要約

米民主党内でバイデン大統領再選支持の議論が続く中、トランプ政策への焦点転換が進む。

バイデン氏について懸念が広がる中、トランプ氏支持団体の動きやポルノ禁止阻止構想に対する対策が議論される。

バイデン氏撤退を求める動きもあるが、一致したコンセンサスはまだ見られない。

(ブルームバーグ): 米議会民主党内では、11月の大統領選で再選を目指すバイデン大統領を支持するかどうかを巡り、9日も議論が続いた。一方、ホワイトハウスと同党議員は、バイデン氏の職務遂行能力の問題から、トランプ前大統領の政策目標へと焦点をそらす戦略に動いた。

バイデン氏に選挙戦からの撤退を公に求める同党内の動きにシェリル下院議員が新たに加わった。バイデン氏についての懸念や、同氏がハリス副大統領もしくは他の候補者に道を譲るべきかどうか、根強い疑念の存在が浮き彫りとなった。他の議員は事態が決着していないとの認識を示唆した。

下院民主党ナンバー3のアギーラ議員(党幹部会会長)はバイデン氏について、「現時点」で同党の候補者だと表現した。

民主党議員の多くは同日、トランプ氏の返り咲きを想定して保守系シンクタンク、ヘリテージ財団が準備を進める政権移行構想「プロジェクト2025」への批判を展開することでバイデン氏に関する疑問をかわした。トランプ氏は物議を醸す同構想から距離を置こうとしているが、その策定には著名な前政権高官の一部が関与している。

プロジェクト2025は現在の連邦職員を解雇して、トランプ氏に忠実な人員らに差し替える計画のほか、ポルノ禁止や気候変動対策の取り組み阻止を掲げている。民主党はこの構想がまだ誰に投票するか決めていない有権者を警戒させて、バイデン氏に有利に働く公算が大きいとみている。

民主党下院議員は9日に非公開会合を開き、バイデン氏の盟友の1人、クライバーン議員は会合後、「プロジェクト2025にフォーカスすることで意見の一致がある」と述べた。複数の参加者はこの会合の趣旨について、バイデン氏がトランプ氏を破ることができるかどうか懸念を発散させる機会だと説明した。

これまでに数人の同党下院議員からバイデン氏撤退を公に求める声が上がっており、会合は実質的に同氏の政治的将来を議論する場となった。バイデン氏に立候補再考を迫るような明確なコンセンサスがまとまる兆しは見られなかった。