ふるさと納税のポイント禁止で総務省に「待った」 楽天、反対署名100万超集める

AI要約

ふるさと納税の利用者に対しポイントを付与する仲介サイトを通じた寄付の募集を禁止する告示を巡り、総務省とサイト運営大手の楽天グループが対立している。同社はポイントの原資が自社負担だと主張し、9日に告示への反対署名が100万件を突破したと発表した。

仲介サイトの多くは、返礼品を掲載する自治体から手数料を受け取る一方、寄付者の囲い込みのため寄付額に応じたポイントを付与している。総務省はポイントの原資に自治体の手数料が含まれており、サイト間の競争激化によって、平均して寄付額の1~2割とされる手数料が高止まりしている可能性があると指摘。

楽天は「ポイントは自社負担だ」と主張する。ポイント付与ができなくなれば、同社が確立しているポイント経済圏の弱体化につながりかねないという事情もあるとみられ、撤回を求める署名活動を開始。9日に署名総数が100万件を突破したと発表した。

ふるさと納税の利用者に対しポイントを付与する仲介サイトを通じた寄付の募集を禁止する告示を巡り、総務省とサイト運営大手の楽天グループが対立している。同社はポイントの原資が自社負担だと主張し、9日に告示への反対署名が100万件を突破したと発表した。総務省は原資に自治体からの手数料が含まれる可能性を指摘し、制度改善へ理解を求める。ただ、ポイント禁止は自治体の収入増につながらないとの声もあり、制度のさらなる適正化が求められる。

■総務省「手数料高止まり」

「コンセンサス(合意)も取らず『ポイント禁止』とかいうやり方に憤りを感じる」

楽天グループの三木谷浩史会長兼社長は6月28日、X(旧ツイッター)にこう投稿した。

仲介サイトの多くは、返礼品を掲載する自治体から手数料を受け取る一方、寄付者の囲い込みのため寄付額に応じたポイントを付与している。総務省はポイントの原資に自治体の手数料が含まれており、サイト間の競争激化によって、平均して寄付額の1~2割とされる手数料が高止まりしている可能性があると指摘。令和7年10月から、ポイント付与の事実上の禁止に踏み切った。

■楽天「ポイントは自社負担」

楽天は「ポイントは自社負担だ」と主張する。ポイント付与ができなくなれば、同社が確立しているポイント経済圏の弱体化につながりかねないという事情もあるとみられ、撤回を求める署名活動を開始。9日に署名総数が100万件を突破したと発表した。

松本剛明総務相はルール変更について「(制度の)適正化を目指すものだ」と理解を求めるが、実際に手数料の高止まりが解消されるかには疑問の声も上がる。自治体側はより多くの寄付を集めるために、高い経費を払ってでも知名度のあるサイトに頼りたいためだ。

また、ポイント付与ができなくなることで、各サイトは差別化へ向け使いやすさ向上などに資金を投入する必要もある。

こうした背景を踏まえニッセイ基礎研究所の高岡和佳子主任研究員は、今回のルール変更による手数料高止まりの改善は「うまくいかないのではないか」と分析。自治体の収入増へ向け「自治体に、安く寄付を集めるほうがメリットがあるというインセンティブ(動機付け)を与えることが必要だ」と指摘した。(根本和哉)