マイチェン「ヴェゼル」に「WR-V」と「ZR-V」 ホンダのSUV戦略に抱く期待と不安

AI要約

ホンダの国内向けSUVが3車種に増え、新しく「WR-V」が加わった。マーケティング戦略として3車種をシリーズとして訴求している。

ホンダ以外の自動車メーカーは複数のSUVモデルを展開しており、トヨタやスバル、マツダなどは複数の車種が揃っている。

日産はSUVラインナップが少なく、現在は3車種のみ。国内販売規模ではホンダが日産を上回っているが、軽自動車の比率が高い。

マイチェン「ヴェゼル」に「WR-V」と「ZR-V」 ホンダのSUV戦略に抱く期待と不安

最近のホンダ製SUVの広告では、動画の最後やページの片隅に「Honda SUV」という見慣れないロゴが置かれるようになった。従来の「ヴェゼル」と「ZR-V」に、昨2023年末、新しく「WR-V」が加わったことで、ホンダの国内向けSUVは3台体制となった。3台ならそれなりのシリーズ感がある……という判断なのか、3台まとめたシリーズとして訴求していこうというマーケティングと思われる。

それにしても、ホンダの国内市場規模からすると、3台に増えたとはいっても、SUVの車種数は少ないというほかない。たとえばトヨタは、「ランクル」系や「ハイラックス」などの独立フレーム本格オフローダーとショーファーカーの「センチュリー」を除いても、「ライズ」「ヤリス クロス」「カローラ クロス」「RAV4」「bZ4X」「ハリアー」「クラウン クロスオーバー」「クラウン スポーツ」があり、近日発売予定の「クラウン エステート」も含めると、じつに9車種のSUVが日本で手に入るようになっている。

また、国内販売台数はホンダより少ないスバルでもSUVは「レックス」「クロストレック」「フォレスター」「ソルテラ」「レヴォーグ レイバック」「レガシィ アウトバック」の6車種から選ぶことができるし、マツダにいたっては、おなじみの「CX-3」「CX-30」「MX-30」「CX-5」「CX-60」に、もうすぐ「CX-80」が加わると計6車種にもなるのだ。

逆にホンダ同様に、日本での市場規模のわりに、SUVが少ないのが日産だ。国内で手に入る日産SUVも、「キックス」「アリア」「エクストレイル」と、ホンダと同様に現在3車種。架装車あつかいの「ノートAUTECHクロスオーバー」を入れても4車種にすぎない。

ちなみに、現在の国内販売台数は、日産よりもホンダのほうが多い。2023年(1月~12月)の実績でいうと、日産の国内販売台数が約48万台なのに対して、ホンダは59万台超で、国内販売167万台のトヨタに続く2番手の規模となる。ただ、ホンダと日産は、国内販売の4割前後を(SUVを用意していない)軽自動車が占める点では共通する。さらにいうと、マツダの国内販売台数は約18万台、スバルは同じく約10万台だ。