“睡眠をしすぎるとバカになりますから” ワンピース作者「尾田栄一郎」 業界にとどろく伝説

AI要約

日本のアニメ・エンタメ業界を牽引する大手総合出版社の特集記事。

漫画原作を供給し、IPの創出源となっている集英社、講談社、小学館のビジネスに迫る。

『ワンピース』の作者である尾田栄一郎氏のエンタメ業界での活動や人間関係について紹介。

“睡眠をしすぎるとバカになりますから” ワンピース作者「尾田栄一郎」 業界にとどろく伝説

世界的ブームが続く日本のアニメ・エンタメ。3兆円経済圏の頂点に君臨するのが、漫画原作を供給し、IP(知的財産)の創出源となる大手総合出版社だ。

『週刊東洋経済』7月13日号の特集は「集英社、講談社、小学館の野望」。彼らは今、何を考えているのか。非上場会社ゆえに謎の多いそのビジネスの奥の院を解剖する。

 『週刊少年ジャンプ』に連載中の海洋冒険漫画『ワンピース』。同誌の看板を背負うその漫画の作者、尾田栄一郎氏は、驚異的な活動力でエンタメ業界に数多くの逸話を残してきた。

 「鳥山明(『ドラゴンボール』作者)はイラストレーター、井上雄彦(『スラムダンク』作者)は画家、尾田栄一郎(『ワンピース』作者)はプロデューサー」

 あるエンタメ関係者はジャンプを代表する漫画家3氏をこのように評する。

 尾田氏が“プロデューサー”たるゆえんは、メディアミックス作品に、漫画家としての立場を超えた幅広いアイデアを提案するためだ。

■「開発側もついていくのが大変」

 「ゲーム化作品では、尾田先生が主人公ルフィの新しい能力をゲームに盛り込むアップデートと、コミックスの最新刊発売のタイミングを合わせて話題性を高める、ゲーム用の新キャラを出す、といった提案をする。開発側もついていくのが大変だ」(ゲーム業界関係者)

 2022年公開の劇場版アニメ『ONE PIECE FILM RED』では、尾田氏が総合プロデューサーとして企画段階から参画。映画のテーマを「歌」に据え、人気歌手Adoを前面に打ち出すキャスティングなど、豊富なアイデアを披露。200億円を超える興行収入を記録した。

 活発な社交ぶりも知られる。3月に死去した鳥山明氏とは家族ぐるみの付き合いがあった。鳥山氏の生前に開催したホテルでの朝食会は、鳥山氏の家族に尾田氏の家族、それに田中真弓氏ら『ワンピース』の主演級声優も加わり、20人近くが一堂に会したという。