老後30年間の賃料は「平均1500万円以上」…高齢者の持家率は何パーセント?

AI要約

老後の生活費を抑えるために持ち家と賃貸暮らしを比較した記事。

総務省の調査に基づくデータを元に、賃貸住宅での生活費がどれくらいかかるかを紹介。

賃貸暮らしでは持ち家よりも毎月数万円の差が生じ、30年間で1000万円以上の違いが出ることが明らかになった。

老後30年間の賃料は「平均1500万円以上」…高齢者の持家率は何パーセント?

老後は住宅ローンを完済した持ち家で生活すると生活費を抑えられます。しかし、好きなときに住み替えられる賃貸暮らしを希望する人もいるのではないでしょうか。

賃貸住宅は自分のライフスタイルに合わせた家に住めますが、経済的な負担について考えておく必要があります。

今回の記事では老後に賃貸住宅で生活する場合の生活費(主に家賃)が、持ち家に比べてどの程度多くなるかを紹介します。

※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

はじめに総務省の家計調査のデータから高齢者無職世帯(年金生活者)の平均的な生活費を、夫婦世帯と単身世帯ごとに紹介します。

費目のうち住居費は主に家賃であり、家賃を支払っていない世帯の分も含まれた平均額となっています。

●高齢者の持ち家率は? 

上記のデータには持ち家世帯と持ち家でない世帯が混在しています。この統計で「二人以上の世帯のうち65歳以上の無職世帯」の持ち家率は94.1% です。

また、65歳以上の単身世帯の持ち家率は85.1%です。

つまり、この統計の対象者のほとんどが持ち家世帯であり、住居費には家賃はほとんど含まれないと考えられます。

そのため、老後に賃貸住宅で生活する予定の人は、平均的な家計収支のデータに家賃分を加味して考える必要があるのです。

老後に賃貸住まいをする場合の家賃の目安は、いくらくらいでしょうか。総務省の「住宅・土地統計調査」のデータから紹介します。2018年の1ヶ月ごとの家賃の平均は、以下のとおりです(家賃0円を含みません)。

 ・65歳以上の単身世帯:月額4万1816円

 ・高齢夫婦世帯:月額5万638円

一人暮らしと夫婦世帯の家賃には、それほど大きな差はないことがわかります。

●家賃の30年分はいくら? 

老後生活を65歳から95歳の30年とした場合、単身世帯と夫婦世帯で必要な家賃の合計は、以下のとおりです。

 ・65歳以上の単身世帯:1505万3760円(4万1816円×12ヶ月×30年)

 ・高齢夫婦世帯:1822万9680円(5万638円×12ヶ月×30年)

また、契約内容によって更新料などがかかる場合もあります。家賃には地域差もあり、東京都のように家賃の値上がりが著しい地域もあるため、試算する場合は家賃の相場を調べておくとよいでしょう。

いずれにしても、賃貸暮らしの人は持ち家の人より1ヶ月あたり数万円多く生活費がかかり、30年分ではその差は1000万円以上になるとわかります。