サントリーが9年ぶり発売の〝発泡酒〟はビールとサワーのハイブリッド 金麦ブランドで

AI要約

サントリーがビールの醸造技術を活かして新商品「金麦(キンムギ)サワー」を発売。

サワーとビールのいいとこ取りで需要を創出。

発泡酒として開発し、ユーザーの需要に応える。

サントリーが9年ぶり発売の〝発泡酒〟はビールとサワーのハイブリッド 金麦ブランドで

サントリーは8日、サワーの味わいをビールの醸造技術で実現したハイブリッドな新商品「金麦(キンムギ)サワー」を10月15日から数量限定で発売すると発表した。サワーと銘打っているが酒税法上では発泡酒に分類され、同社が全国で発売する発泡酒としては平成27年10月発売の「パンプキンスペシャル」以来、9年ぶりとなる。サワーとビールを併買するユーザーが増加傾向にあることから、両方の〝いいとこ取り〟した新商品で需要創出を図る考えだ。

■ビールでサワーの味わい

主な原材料は麦芽やホップなどビールに用いる自然素材を使用し、香料や甘味料は使っていない。同社のビールで使われている醸造技術や第三のビール「金麦」で使われている低麦芽比率での発酵技術を活用。これに、希少なレモンドロップホップを使うことなどで、ビールに使う原料だけでレモンサワーのような柑橘の風味を実現することに成功した。

アルコール度数は6%。価格は350ミリリットルで約182円、500ミリリットルで約245円。合計で30万ケース(1ケース=12・66リットル換算)限定で販売する。

同社が調査したところ、ビール類と缶酎ハイやサワーといった栓を開けてすぐに飲める「RTD」(レディー・トゥー・ドリンク)を併せて買うユーザーが、令和5年までの5年間で49%増加したことなどから、「ビール類とRTD両方を飲むユーザーの2杯目需要を取る狙いで開発」(多田寅常務)。4月から北海道でテスト販売したところ、好評を得たことから全国発売に踏み切った。

■発泡酒がベスト

また、発泡酒として開発した理由について、「(味わいを追求していく中で)結果的に発泡酒がベストとなった」(多田氏)と説明。今後も発泡酒のメリットを生かした新商品を開発する可能性を示唆した。

酒税法では、麦芽使用率50%以上を「ビール」、麦芽使用比率が50%未満かビールで使用できる副原料の量を超えれば「発泡酒」、これら以外で麦由来のスピリッツを加えたり、麦芽を使用していないものを「第三のビール」「新ジャンル」と定義している。

昨年10月の酒税法改正では、ビールが減税される一方、第3のビールが増税されて発泡酒と税率が統一された。これを機にビールの需要が高まったが第三のビールの販売は低迷しており、サントリーは今年の金麦ブランドの販売計画を前年比4%減としている。