仕組み債販売、直近ピーク時から10分の1以下に急減-金融庁調査

AI要約

金融庁は、個人向けに販売された仕組み債の総額が10分の1以下に減少したことを発表した。

金融庁は金融機関への監視を強化し、仕組み債の販売停止を決定する地銀も増加している。

金融機関全体で1000億円以上の収益が失われた可能性があるものの、他の金融商品の販売で補えている可能性がある。

(ブルームバーグ): 金融庁はこのほど、大手銀行や地方銀行、証券会社が個人向けに販売した仕組み債の総額が、直近のピーク時に比べて10分の1以下になったと発表した。

5日に「リスク性金融商品の販売に関するモニタリング結果」を発表した。それによると、2023年4ー9月に販売した仕組み債総額は2000億円。20年9月ー21年3月に販売した3兆円と比べて93%減少した。

仕組み債販売を巡っては、商品性が複雑で個人投資家への説明が不足しているなどとして、金融庁が金融機関への監視を強化。販売停止を決める地銀も相次いだ。

昨年6月には、金融庁が地銀大手の千葉銀行と傘下のちばぎん証券、武蔵野銀行の3社に対して業務改善命令を出した。顧客の投資経験や方針を踏まえた金融商品の販売や勧誘を求める「適合性原則」に抵触する行為があった。

ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)の伴英康シニアアナリストは、仕組み債の販売減によって、金融機関全体で1000億円以上の収益が失われた可能性があると指摘する。収益への影響については、他の金融商品の販売で補えているのかを確認する必要があるとの見方を示した。

金融庁の発表によると、法人顧客向けの仕組み債の販売額は一定水準を維持しているという。また、大手証券会社7社が新興国を含む外貨建てのソブリン債やその他の一般債の販売を加速させていることも分かった。

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