画像生成AI「Adobe Firefly」は何がすごい? 業務をラクにする3つの活用法

AI要約

Adobeが開発した画像生成AI「Adobe Firefly」についての概要と特徴、使用ポイントが紹介されている。

博報堂DYグループが採用するAI活用の基本方針やルールについて解説されている。

AIを活用したクリエイティブ制作における著作権リスクや注意事項について触れられている。

画像生成AI「Adobe Firefly」は何がすごい? 業務をラクにする3つの活用法

 この記事は、博報堂が運営する“生活者データ・ドリブン”マーケティング通信が2024年5月8日に掲載した「AI×デジタルクリエイティブ最前線 ~成果を最大化するオリジナルAIプロダクトおよびAdobe Firefly活用事例~【セミナーレポート(後編)】」に、編集を加えて転載したものです(無断転載禁止)。

 ChatGPTとAdobe Fireflyの登場は、ネットやスマホの出現と同等のインパクトをもたらす変革期に突入することを意味しています。過去を振り返っても、イノベーションが起こった際の先行者優位は変わらず、「いかに数年先を見据えて、アーリーアダプターたりえるか」が今後の分岐になってくるのではないでしょうか。

 そんな変革初期にどうわれわれは向き合っていくのか――博報堂DYグループが主催する“生活者データ・ドリブン”マーケティングセミナーでは、「AI×デジタルクリエイティブ」を軸に、クリエイティブ領域におけるAI活用の可能性と、Adobeの生成AIサービス「Adobe Firefly」の活用事例を紹介するセミナーを実施。本稿では、セミナーの内容を編集してお届けします。

<前編:生成AIでクリエイター業務が激変 博報堂DYグループが使う5つのサービスとは?>

石井 智之

デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社

プロセス&クリエイティブデザイン本部

副本部長兼クリエイティブ推進局局長

尾崎 咲美

株式会社アイレップ

第1クリエイティブUnit/テクノロジービジネスUnit

Division Manager

※社名・肩書はセミナー開催時のもの※デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社と株式会社アイレップは2024年4月に統合し、株式会社HAKUHODO DY ONEとして引き続きデジタルマーケティング領域を担っている。

石井: ここからは、Adobeが開発した画像生成AI「Adobe Firefly」について、概要のご紹介と制作の実演をさせていただきます。

石井: 「Adobe Firefly」のポイントは大きく3つあります。

POINT1:テキスト入力のみで画像生成が可能

POINT2:商用利用が可能

POINT3:Adobe製品との連携性

 特に、AIを用いた画像生成においてネックになるのが「商用利用できるのか」という部分かと思いますが、「Adobe Firefly」はAdobeが提供しているレンタルフォトサービス「Adobe Stock」のデータをベースにAIを構築しているため、商用利用も可能です。

 ただ、その際の留意点は「商用利用OK=著作権クリアではない」ということです。先ほどお伝えした通り、「Adobe Firefly」の元となっているデータは著作権クリアなものなのですが、意図せず何らかの著作物に似てしまう可能性はゼロではありません。もちろん、このケースは通常のデザイン制作においても言えることですが、AIの活用でクリエイティブの量産ができるようになれば、そのリスクも高まるということを理解した上で、細心の注意を払う必要があるのです。

石井: そこで博報堂DYグループでは、画像生成AIの使用については基本方針とルールを設けています。大きな方針としては、多数の生成AIサービスがある中でも、基本的に著作権リスクが低い「Adobe Firefly」を利用することと、デジタル広告領域のみで活用するということです。

 また、広告主様に事前承認を得ること、また、特定の著作物に似せないようにしていることの証明として、生成AIを活用した際のプロンプト(AIに入力したテキスト)も合わせて納品するように定めています。その他、さまざまなリスクをあらかじめ回避するために、固有名詞を入れない、プロンプトのログを残す、生成画像の最終チェックなども現場が行う、といったルールにしています。