タタ製鉄、英国製鉄所で第5高炉休止実行。政権交代で追加休止は波乱含み

AI要約

タタ製鉄は、英国事業のポート・タルボット製鉄所で高炉の休止作業を開始した。

新政権による支援継続の可能性や労働組合との関係が波乱含みの状況となっている。

タタ・スチールUKのCEOは電炉への転換投資を通じて持続可能な事業構造への転換を強調した。

 タタ製鉄は、英国事業のポート・タルボット製鉄所で4日に第5高炉での出銑を終え恒久的な休止への作業を開始したと発表した。同所では9月末までに第4高炉も止め、保有する高炉2基はいずれも休止する予定。

 英では4日投開票の総選挙で労働党が大勝し14年ぶりに政権が交代する。タタは保守党政権下で高炉休止と電炉への転換投資で5億ポンドの支援を獲得していたが、新政権がこれを継承するかは微妙だ。高炉の全面的休止に抵抗する労働組合は労働党に近く、タタの計画はなお波乱含みの状況にある。

 タタ・スチールUKのラジェシュ・ナーヤルCEOは声明で「1959年の操業開始以来、第5高炉の操業に関わって人々は英国の製造業を支えてきたことに誇りを持って欲しい」とし、電炉への転換投資で持続可能かつ競争力ある事業構造へ転換することを強調した。