生成AIに適した次世代半導体に貢献 米の半導体企業が「量子効果素子」を開発、京都で実用化研究へ

AI要約

米シンメトリック社が量子効果素子を開発し、半導体素子トランジスタに比べてスイッチングの消費エネルギーが極めて低いことを発表。

量子効果素子は、ハフニウムに炭素を添加し、量子構造を変えた材料で開発されており、消費電力は大幅に低減されている。

この技術は、AIなどの消費電力が大きいアプリケーション向けに開発され、医療分野を中心に実用化研究が始まる予定。

生成AIに適した次世代半導体に貢献 米の半導体企業が「量子効果素子」を開発、京都で実用化研究へ

 半導体研究開発の米シンメトリック社は、半導体素子トランジスタに比べてスイッチングの消費エネルギーが100万分の1で、さらなる微細化も可能な「量子効果素子」を開発した。消費電力が大きい生成AI(人工知能)などに適した省エネルギー型の次世代半導体チップの実現に寄与するとしている。世界に先駆けて京都の大学や企業と連携し、膨大なデータ処理が必要な医療分野を中心に実用化研究を始める。米コロラド大栄誉教授のカルロス・アラウジョCEO(最高経営責任者)が5日、京都市内で明らかにした。

 素子は、電気信号の増幅や電気回路のオン・オフの切り替えなどを担い、集積回路などに大量に使われる。

 量子効果素子は、シリコンではなく、ハフニウムに炭素を添加し、量子構造を変えた材料で開発した。スイッチングに要するエネルギーは、100京分の1ジュールと大幅に低減する。