「口座を見るのがイヤだった」リーマンで大損出→FIRE!「エンジンは労働収入、投資はあくまでブースト的な扱い」

AI要約

SGee氏(X:@SGee30418056)が2022年にFIREを達成した経緯や、労働収入と投資の関係、FIRE達成後の生活について述べている。

過去の投資経験から労働収入を重視し、投資を補完する考え方を大切にしてきたSGee氏。真摯なアドバイスや家族との時間を大切にする生活スタイルがうかがえる。

FIREは目指すべき成功やランクではなく、隠居や引退を意味するものであり、自分らしく地道に生活を送ることを重視することを語っている。

「口座を見るのがイヤだった」リーマンで大損出→FIRE!「エンジンは労働収入、投資はあくまでブースト的な扱い」

 労働収入だけに依存しないライフスタイル「FIRE」。近年頻出するワードではあるが、実際に達成に向けて行動している人はさほど多くはないのではないか。今回フィーチャーするのは、2022年にFIREを達成したSGee氏(X:@SGee30418056)。米国株を中心に投資を行い、Xでは投資に関する話題やFIRE達成後のリアルなどを発信している。

 みんかぶマガジン短期連載「米国株投資家が語る、FIREの実情」第1回は、氏の投資遍歴と投資におけるマイルールなどについて話を聞いた。

――まず、SGeeさんの投資遍歴を教えてください。

 2000年ごろ、周りの人たちが投資を始めていたことや、当時の株ブームの影響を受けて、何となく投資を始めることにしました。投資を始めてしばらくすると、ITバブルが崩壊し、私が保有していたIT関連の株式の価値が大きく下落。その後も投資を続けたのですが、2008年にはリーマン・ショックが発生し、ふたたび投資額が激減しました。

 口座を見ることすら嫌な状態になり、その後しばらくの間、口座は塩漬け状態でした。投資に本格的に復帰したのは、2010年頃に三菱UFJアセットマネジメントが運用する「eMAXIS」というインデックスファンドに出会ってからです。そこから積立投資を始め、2012年にはアベノミクスが始まり、マーケットが回復し、円安も進みました。これによりリーマン・ショック以来の損失が徐々に回復し、上向きになっていきました。この時期から、アメリカの株式への投資を積極的に行い、投資活動を活発化させていきました。

 社会人になって10年以上が経過し、入金力が上がって積立や個別株への投資額が増えていき、上昇気流に乗ることができました。徐々に資産も増えていき、2022年初頭にFIREしたというのがざっくりした遍歴です。

――紆余曲折ありながらも、ずっと投資を続けられた理由は。

 労働収入を主軸にしていたからだと思います。そのため、労働収入はエンジン、投資はあくまで労働収入を補完するための手段やブーストのようなものと位置づけています。

 Xでもたびたびポストしていますが、これから投資を始める人たちに対しては、株式投資に固執するのではなく、本業に専念することが最も重要だと思います。

 投資はパーセンテージの世界であり、100万円を10倍に増やすという天才的な投資を行っても、それは結局のところ1000万円にしかなりません。ですが、もし10億円を持っていれば、1%増加しただけで1000万円の利益を得ることができますからね。

――FIREを達成した後、どのような変化がありましたか。

 以前は日々の業務や頻繁な海外出張により、家族と過ごす時間がほとんどありませんでした。現在では食事をともにしたり、一緒に運動したり、家族との時間を大切にするなど、日常生活を充実させることができています。

 特に派手な生活を送っているわけでも、何か特別なものを食べているわけでもありませんが、自分らしさを保ちながら地道に生活を送っていますね。

 メディアでは、FIREは「達成」や「成功」という観点から多く語られますが、私たちは競争や勝負から離れ、隠居生活を送っています。華々しいパラダイスというわけではなく、引退や撤退という言葉がふさわしいのかもしれません。