新紙幣発行 大阪の銀行窓口にも両替の列 「タンス預金」あぶり出しも期待

AI要約

新紙幣が発行され、金融機関では両替を希望する人たちが行列をつくるなど、熱気に包まれた状況が続いている。

日本銀行や三井住友銀行などが新紙幣の取り扱いに忙殺されており、供給が順調に行われている。

新紙幣により、タンス預金が動き出し、消費や投資に資金が回ることが期待される。

新紙幣発行 大阪の銀行窓口にも両替の列 「タンス預金」あぶり出しも期待

新紙幣が発行された3日、銀行の窓口では両替を希望する人たちが行列をつくるなど、金融機関を中心に熱気に包まれた。新紙幣の流通を機に、銀行口座ではなく自宅に保管されている「タンス預金」の旧紙幣が、消費や投資に回るとの見方も出ている。

同日早朝、日本銀行大阪支店(大阪市北区)には銀行関係者らが集まり、大量の新紙幣を受け取って各地の営業店などに運び出した。同支店の土屋裕明発券課長は「キャッシュレスが普及しているが、現金のニーズも根強く、責任を持って供給を続ける」と話した。

三井住友銀行大阪本店営業部(同市中央区)では、両替に対応するため窓口などの従業員を臨時で増員。窓口には、両替を待つ利用客が並んだという。

吉田賢典(たかおき)部長は「渋沢栄一のデザインがよく知られているようで、一万円札への両替が目立った」と語った。同銀行は4日以降、新紙幣の用意ができた店舗から順次、両替に対応する。

また、日本証券業協会大阪地区協会の巽大介会長は、新紙幣の流通により、タンス預金があぶり出されることに期待。「滞留した資金が消費や投資に回れば、市場にはありがたい」と話した。

一方、日銀は3日朝、新紙幣発行の記念式典を東京都内の本店で実施。岸田文雄首相は記者会見で「新紙幣が親しまれ、日本の経済に元気を与えてくれることを期待したい」と述べた。(井上浩平)