スタートアップ経営者として優位に立てる、「10のビジネスコンセプト」

本稿では、ビジネスマインドを研ぎ澄まし、優位性をもたらす10個のユニークなビジネスコンセプトを紹介する。

■1）ブルーオーシャン戦略

ブルーオーシャン戦略とは、競争の激しい市場（レッドオーシャン）で争うのではなく、競争のない新市場（ブルーオーシャン）を創造することを意味する。この戦略は、差別化と低コストを同時に追求して新市場を開拓する「価値革新」に重点を置く。典型的な例として、サーカス芸術と演劇的要素を融合させて新しいエンターテインメントカテゴリーを創り出し、まったく新しい観客層を引き付けたシルク・ドゥ・ソレイユがある。

■2）ロングテール

クリス・アンダーソンによって普及したロングテールの概念は、メインストリームの製品だけに焦点を当てるのではなく、多数のニッチ市場をターゲットにすることで企業は大きな利益を得られると提案している。これは特に、配信コストや保管コストが低いデジタル時代において重要な意味を持つ。アマゾンやネットフリックスのような企業は、ニッチな顧客層に訴求する多種多様な製品やコンテンツを提供することでロングテールを活用している。

■3）破壊的イノベーション

クレイトン・クリステンセンが提唱した破壊的イノベーションは、より少ない資源しか持たない小規模な企業が、見過ごされがちなセグメントをターゲットにしたり、よりシンプルで手頃な解決策を提供したりすることで、強固な地位をすでに確立した企業に対し、挑戦するプロセスを描写している。破壊的イノベーションは産業を再形成してきた。たとえば、ネットフリックスがビデオレンタル市場を破壊し、Airbnbがホスピタリティ産業を変革したことなどが挙げられる。

■4）リバース・イノベーション

リバース・イノベーションとは、新興市場で革新的な製品やサービスを開発し、その後それらを先進国市場での使用に適応させることを指す。このコンセプトは、新興市場がイノベーションのハブとなる可能性を示している。たとえば、GEヘルスケアは、インドの農村部向けに携帯可能な低コストの超音波診断装置を開発したが、後にその手頃な価格と利便性により、米国市場でも利用されるようになった。

■5）後発者利益

先行者利益がしばしば賞賛される一方で、後発者利益は、市場で2番手になることが実際には有益であることを示唆している。2番手は、先行者の失敗や成功から学び、より良い実行、技術、またはマーケティング戦略によって元のアイデアを改良することができる。たとえば、フェイスブックは最初のSNSではなかったが、MySpace（マイスペース）やFriendster（フレンドスター）のような先駆者のアイデアを改良し、支配的なプラットフォームとなった。