独仏指導者の影響力低下、首脳会議で顕著に-欧州議会選大敗が響く

AI要約

フランスとドイツが欧州連合内での影響力を失いつつあり、政策変更に苦労している。会議での修正案はほぼ全て拒否され、独仏提案に異例の反発が起きた。

マクロン大統領は欧州議会選挙での敗北を受け、再び失地を回復できずにいる状況。ショルツ首相もマクロンとの話し合いを行っている模様。

フランスの政府関係者たちは疲弊した様子で会議に臨んでおり、マクロンの弱体化がますます懸念されている。

(ブルームバーグ): フランスとドイツは欧州連合(EU)の場で、自分たちの思い通りにすることに慣れている。だが、自国の問題に気を取られていた2大経済大国は、27日に開催されたEU首脳会議では幅を利かせづらくなっていた。

会議に出席していた関係者によると、フランスのマクロン大統領とドイツのショルツ首相が、EUの長期的な政策の優先順位に終盤で手を加えようとすると、他の加盟国が猛反発した。フランスとドイツの修正案は、ほぼすべて拒否されたという。非公開の協議だったことを理由に匿名で語った。

あるEU外交官によると、独仏の提案がこれほど強い反発を受けるのは珍しいという。両首脳は今月の欧州議会選挙で大敗し、影響力が弱まった状態で首脳会議に臨んだ。デンマークのフレデリクセン首相は会議後、提案の「全文を破棄するような雰囲気はなかった」と振り返った。独政府関係者は、2人が難解なプロセスを明確にしようとしていただけだと語った。

マクロン氏は欧州議会選での大敗を受け、仏国民議会(下院)を解散。選挙活動の盛り上がりで失地を回復するつもりだったとみられるが、世論調査によると、情勢はマリーヌ・ルペン氏率いる極右政党中心の内閣を誕生させかねない敗北に再び向かっているようだ。

EUの2大国の不安定な動きは、ロシアのウクライナ侵略から、米国や中国との貿易摩擦、経済成長の低迷に至るまで、増え続ける課題に対処しようとしている加盟国首脳にとって、憂慮すべき兆候だ。ショルツ氏は首脳会議後、マクロン大統領と仏情勢について話し合ったことをほのめかした。ハンガリーのオルバン首相も、首脳会議会場に到着した際、間近に迫ったフランスの選挙について「もちろん、誰もがそれについて話している」と語った。

あるEU外交官によると、今週ブリュッセルで行われた会議に出席していたフランスの閣僚らは、疲弊した様子だったという。別の外交官は、マクロン氏のさらなる弱体化が確実視される中、連敗が今後の首脳会議に与える影響を懸念していると語った。マクロン氏の陣営に近い人物は、仏政府関係者の雰囲気は厳しいと語った。