だから厳しい仕事もやり遂げられる…2万人を面接した社長が見いだした「成果を生みだす人材」に共通する"ある能力"

AI要約

成果を出すためには継続力が重要である。成果が出るから継続できるという因果の逆転がある。

成果への最短距離は真似をすることであり、先輩の成功を参考にして行動することが重要である。

継続力を持つことでポジティブなスパイラルが生まれ、成功につながることが示唆されている。

仕事で成果を出す人材はどこが違うのか。トゥモローゲート代表の西崎康平氏は「多くの人材に共通する一つの能力に『継続力』がある。しかもそれは継続するから成果が出るのではなく、成果が出るから継続できるという『因果の逆転』が起きている」という――。

 ※本稿は、西崎康平『レベルゼロ 自分を超え続ける「仕事の教科書」』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

■「継続するから成果が出る」わけではない

 「継続力がある人にはあり、継続力がない人にはないものがある。それは何か?」前職で人材コンサルティング会社に勤めていた当時、グループワークなどを含めると、約2万人の新卒、中途の求職者を面接してきた。

 業務を通じて、彼ら彼女らが入社後どのように活躍していくのかをリサーチをしていくなかで、成果を生み出せるほとんどの人材に共通するある能力が見えてきた。それが「継続力」だ。

 逆に、成果を残せない人材の多くは、この「継続力」が乏しかった。

 継続するから成果が出る。継続しないから成果が出ない。でも、「待てよ」と自分なりに仮説を立ててみる。「もしかするとこれは順番が逆なのではないか」と。

 継続するから、成果が出るのではない。

 成果が出るから、継続するのではないか。

 卵が先か鶏が先かみたいな話だが、振り返ればまさに僕自身がその通りだった。営業成績が最下位で成果が出ない時の感情はどうだったか。成果が出なくてとにかく仕事がしんどい。表情も暗い。声のトーンも低い。その雰囲気は営業先に伝わり、契約につながらない。結果、やるべき仕事が続かない。

 まさに「負のスパイラル」である。

■成果への最短距離は真似をすること

 仕事が思うように進めば、もちろんうれしい。やる気もあふれてくる。それが相手に伝わり、契約につながる、そしたら、さらにうれしくなる。モチベーションも高くなる。結果、厳しい営業も続けられる。

 継続力がある人にはあり、継続力がない人にはないものは成果である。

 「いきなり成果と言われても経験値が足りないから無理だ」そう思う人もいるかもしれない。ただ心配しなくていい。ビジネスには成果への最短距離というものがあるからだ。

 いま自分ができないのなら、できる人の力を借りればいい。

 つまり、誰かの真似をするということだ。

 僕もテレアポで成果を出すために「こんなことやったらいいんじゃないかな」、「あんなこと試したらいいんじゃないかな」と色々考えて試してみた。でもやっぱりビジネスの世界って、経験がないなかでいくら想像したところで、その通りにはならない。

 だったら、自分の業務領域のなかで一番成果を出している先輩の真似をするというのが、一番手っ取り早く成果につながる。

 営業であるなら、先輩の営業トークを完コピしてみる。デザイナーであるなら先輩のデザインを真似してみる。なかなか成果が出ない僕の営業成績が、少しずつ上向き始めたきっかけも、この「真似をする」ことからだった。

 先輩の営業に同行して、営業トークを録音し、毎朝毎晩の通勤時間のなか、ひたすら聞き続ける。トーク内容はもちろん、間の取り方、強弱の付け方から言葉の言い回しまで丸々全部を空で言えるよう、身体のなかに染み込ませた。それをアウトプットする場として、毎日先輩に15分間の営業ロープレをした。そうすることで行動力の経験値を高めてきたわけだ。

 真似をし続けると自然と成果に必要な要素が身体に染み込んでいく。その土台を基にしながら、自分なりのやり方を加えていくことが、成果に向けた最短距離となる。

 その結果、売上はみるみる上がった。1年目は最下位だった営業成績から、2年目には大阪支社長を任されるまでになった。

 まさに「正のスパイラル」だ。

 先輩は僕の売上が上がっていくのを喜んでくれる。会社は頑張ってるなと評価してくれる。そんな成果から生まれる自信こそ、負のスパイラルから抜け出すきっかけとなった。仕事が面白くて継続できる自分に変化できたんだな、と振り返って思う。