ポテチが劇的においしくなる「すしのこ」が再ブレーク!老舗食品メーカー・タマノイ酢の若き新社長がめざす経営戦略

AI要約

ロングセラー調味料「すしのこ」が若い世代に再び注目されている理由とその起源について紹介。

「すしのこ」の新たな使い方や異業種とのコラボが注目を集め、売上も伸びていることが明らかに。

今後の展開や新たな食べ方を期待する声もあり、若き新社長の考えやコメントに注目が集まっている。

ポテチが劇的においしくなる「すしのこ」が再ブレーク!老舗食品メーカー・タマノイ酢の若き新社長がめざす経営戦略

人気マンガ【推しの子】の146話にも登場したロングセラー調味料「すしのこ」をご存知だろうか?

数年前から「ポテチにかけると激ウマ」とSNSで話題になっている”魔法の粉”だが、もともとは、ご飯に混ぜるだけで簡単に酢飯を作れる粉末調味料だ。

【推しの子】では、ピザ味のポテトチップスに「すしのこ」を振りかけ、「おかしくなっちゃう位うめーな」とその組み合わせを絶賛。

しかしなぜ【推しの子】に「すしのこ」が?と思っていたら、6月1日にコラボ商品が発売!

密かに水面下で動いていた、人気アニメと歴史ある粉末調味料との衝撃のコラボ。

今回、筆者も人生で初めて「すしのこ」を購入し、“すしのこピザポテチ”を初体験した。

確かに美味い。ビネガー風味が加わり、独特な香りと旨みが広がる。さらにジャガイモの甘みさえ強く感じられるようだった。

1963年の発売以降、60年以上にもわたるロングセラー商品だが、今ここにきて再び脚光を浴びているらしい。しかも、これまでとは違う、若い世代にも浸透しているという。

それは一体何故なのか?そしてその仕掛け人とは?

真相に迫るべく、「すしのこ」の製造・販売を手がける食品メーカー「タマノイ酢」広報の赤木さんに話を聞いた。

――「すしのこ」が今人気です。一体何があったんでしょうか?

「ありがとうございます。実際にSNSでも多くの方に投稿していただいてますが、弊社が取り組んだこととしては『酢飯以外の「すしのこ」の新たな使い方』を提案したことでしょうか」

「たとえば、大手料理サイトや元AKB48で俳優の前田敦子さんと一緒にレシピコンテストを開催し、さまざまなレシピを紹介したことが、「すしのこ」を皆様に知っていただくきっかけとなったと思っています」

「またアニヤ・ハインドマーチというイギリスのブランドから、バッグのデザインに『すしのこのパッケージを利用したい』とお声掛けいただいたり、SNSの“すしのこポテチ”などが突発的に話題になるなど、思いもよらぬところから、「すしのこ」にフォーカスしていただける機会も大きな要因だと思っております」

スパンコールなどが施されたゴージャス仕様の逸品は、お値段なんと約15万円。故ダイアナ妃やキャサリン妃にも愛された新鋭ブランドが、60年以上変えていない日本のレトロなパッケージに魅了されたのだ。

“古いけど新しい”、“古いからカワイイ”が外国人の心にも刺さったのかもしれない。

「弊社としてもこれらのチャンスを逃すことなく、今の消費者が何を求めているのかを見極めながら、「すしのこ」を小売店のお菓子売り場に置いていただくなど、更なる挑戦をしてきました。それが、新たな販路を広げるきっかけにもなるんです」

さまざまな分野で突発的に話題になった「すしのこ」。その影響はもちろん売上にも。

「粉末酢業界全体としては売上げが下がり気味な中、弊社はアップトレンドとなっています。具体的には今季累計は昨対比2桁増です。

要因としては、すしのこポテトチップスや推しの子とのコラボが話題になるなど、「すしのこ」を酢飯以外に使うという新しい市場を開拓することができ、若年層という新しいターゲットを獲得できたことが考えられます」

後編では、新たな市場開拓を成し遂げた若き新社長は何を重要と考えているのか?コメントや、すしのこの新たな食べ方を紹介!

文/太田ポーシャ