マイクロン株の65%急伸、AIへの高い期待が押し上げ-決算に注目

AI要約

半導体メモリーメーカーの米マイクロン・テクノロジーが人工知能(AI)ブームを背景に株価急騰。市場は3-5月期決算発表後の伸びと引き続く需要を注視。

市場では売上高の大幅増を予想。決算による株価の上下幅は12%と予測されており、3-5月期の成績がカギとなる。

AIアプリケーションに利用されるメモリーの分野で傑出するマイクロン。将来の収入源として期待され、ウォール街の予想価格は最も高い。

(ブルームバーグ): 半導体メモリーメーカーの米マイクロン・テクノロジーは、人工知能(AI)ブームを背景に今年に入り株価が急伸。時価総額を大きく拡大させているが、この急速な株価上昇が正当化されるかどうかが近く示される。

マイクロンの株価は年初から65%上昇。この上昇の大部分は同社の直近の四半期決算発表後にもたらされ、6月には上場来高値を付けた。同社は26日の通常取引終了後に3-5月(第3四半期)決算を発表するが、市場は利益の伸びと、需要がこの先も堅調であることを示す証拠を求めそうだ。

期待値は高い。ウォール街はマイクロンの3-5月期について、売上高を67億ドル(約1兆750億円)と予想。これは前年同期比で80%近い増加だ。予想を下回った場合、売り浴びせのリスクが強まる恐れがある。ブルームバーグがまとめたデータによると、オプション契約では、決算発表後の取引で株価が上下いずれかの方向に12%動く可能性があることが示唆されている。

フリーダム・キャピタル・マーケッツのチーフグローバルストラテジスト、ジェイ・ウッズ氏はマイクロンについて、「AIブームの波に乗っている」とした上で、「同業他社とは一線を画すストーリーを示す必要がある」と述べた。

マイクロンが傑出しているのはAIアプリケーションに利用されるメモリーの分野で、市場はこれが将来の収入の原動力になるとみている。市場は3-5月期の調整後1株利益について、9.5%増の0.50ドルになると予想している。

ローゼンブラット・セキュリティーズのハンス・モーゼスマン氏は25日付のリポートで、「史上有数のメモリーサイクルに突入する中、マイクロンは市場予想を上回る決算と見通しの引き上げを発表するとわれわれは見込んでいる」と指摘。AIアプリケーションの需要や高帯域幅メモリー(HBM)の増産といった要素が、マイクロンの成長をけん引するだろうと付け加えた。

ブルームバーグのデータによれば、モーゼスマン氏のマイクロンの目標株価は225ドルで、ウォール街で最も高い。同社株に対するアナリストの投資判断は「買い」が37人、「ホールド」が2人、「売り」が1人となっている。