フランス与野党指導者がテレビ討論、経済・年金改革や移民巡り衝突

AI要約
フランス国民議会選挙に向けて初のテレビ討論が行われ、中道派、極右、左派のリーダーが激論を交わす投票まで数日を切り、移民、年金改革、環境問題など様々な分野で意見を対立マクロン大統領率いる与党連合が過半数を失い、右派極右、左派の候補が接戦を繰り広げる

(ブルームバーグ): フランスの国民議会(下院)選挙に向けた初のテレビ討論が25日行われた。主要3勢力のリーダーは、欧州第二の経済大国の運営を託すよう有権者に訴え、年金改革から税金、移民までさまざまな分野で激論を交わした。

30日の第1回投票まであと数日に迫り、中道派のアタル首相、極右政党「国民連合(RN)」のジョルダン・バルデラ党首、左派連合「新人民戦線」を代表するマニュエル・ボンパール氏が、フランスの購買力に関する課題、公共サービスの改善、環境問題への対応策を披露した。

いずれも40歳以下の3人は、互いの違いを強調しようと、頻繁に発言を遮り、攻撃し合った。アタル氏は現政権の実績を擁護しようとし、バルデラ氏は移民、犯罪、治安に対する党の厳しい姿勢を強調、ボンパール氏は定年年齢の引き下げと富裕層への増税という左派のプランを推した。

2週間前の欧州議会選挙でマクロン大統領率いる与党連合が大敗したことを受け、同大統領は下院を解散。今回の選挙は、フランスにとって重要なターニングポイントとなりつつある。世論調査によると、マクロン氏の「再生(RE)」と同盟勢力は、過半数を失う見通しだ。ほとんどの調査では、RNがリードし、左派連合が2位、マクロン派が3位につけている。

討論は、マクロン氏による定年年齢引き上げ(62歳から64歳)を巡り、白熱した。この政策は不人気で、抗議デモが暴動に発展した。アタル氏が現政権の決定を擁護する一方、ボンパール氏はこの決定を覆すとし、バルデラ氏は62歳という「極めて重要な」年齢を設定することで微調整すると述べた。

3人は移民問題でも意見を戦わせ、それぞれの政治的立場の違いを見せた。アタル氏が、二重国籍者の「フランス人らしさ」を疑問視するバルデラ氏を非難したのに対し、バルデラ氏は「移民の管理を取り戻す」と述べた。ボンパール氏は、バルデラ氏がイタリア系であることを指摘した。