日本株ブーム失速、外国人投資家が慎重姿勢強める-4週連続売り越し

AI要約

外国人投資家による日本株の売りが目立つ中、コーポレートガバナンス改革や日本銀行の金融政策見通しが不透明で悲観的な見方が広がっている。

日経平均株価が史上最高値を更新した後、外国人投資家の売りが続き、市場での失速が顕著となっている。

円安の進行も投資家の警戒感を引き起こしており、短期的には調整リスクが高まっている。

(ブルームバーグ): 今年に入ってからの日本株の記録的な騰勢は、すでに遠い記憶になりつつある。特に目立つのが外国人投資家による売りだ。

コーポレートガバナンス改革や日本銀行の金融政策見通しが依然不透明であることを理由に、シティグループやアバディーンなどは日本株に対して悲観的な見方を強めている。バンク・オブ・アメリカ(BofA)のファンドマネージャー調査によれば、回答者の約3分の1は日本株がピークに達したと考えている。

数カ月前に日経平均株価を史上最高値に押し上げる原動力となっていた外国人投資家だが、最近では6月14日までの4週連続で売り越しとなった。東京証券取引所のデータによれば、これは昨年9月以来の長さとなる。

日経平均は3月22日に史上最高値を更新して以来、失速が鮮明となっている。3月22日以降の下落率は5.6%。同期間のMSCIアジア太平洋指数が1%高、S&P500種株価指数が4.4%高となっているのとは対照的だ。

IGマーケッツのアナリスト、ヘベ・チェン氏は「今年の日本株に対して見られた当初の楽観論は、明らかにスピードバンプにぶつかっている」と指摘。「投資家は、日本株の上昇要因が持続可能なのかどうか自問自答している」と述べた。

外国勢の売り

日本株市場では、以前は上昇を支えていた要因が足を引っ張り始めている。東証のデータによれば、株主価値向上を目指した前例のない取り組みに魅力を感じて殺到した外国人投資家は、6月14日までの1週間では日本株を2500億円相当売り越した。

阪上亮太氏らシティグループ証券のストラテジストは、日本株は想定されるプラス要因が現れるまでにしばらく時間がかかるため、短期的には調整リスクが大きいと、19日付のリポートで指摘した。

進行する円安

投資家は円安が止まらないことにも警戒感を強めている。以前は円安は輸出企業にとっての好材料として歓迎されていたが、最近はインフレ圧力の上昇につながるなどの側面が意識されている。