〔東京外為〕ドル、一時159円台=2カ月ぶり、米利下げ観測後退(21日午後5時)

AI要約

21日の東京外国為替市場のドルの対円相場は、米利下げ観測後退などで2カ月ぶりの高値を記録。

午前は米長期金利上昇や輸入企業の買いに支えられ、午後に利益確定売りで緩むも、介入警戒感強まり158円60銭まで下落。

米利下げ先送り観測、日銀追加利上げ後ずれ観測から、ドル円は水準を切り上げたが160円接近で介入警戒感強まる。

 21日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、米国の利下げ観測後退などで、一時1ドル=159円台前半に上昇した。政府・日銀が介入に踏み切ったとみられる4月29日以来、約2カ月ぶりの高値を付けた。午後5時現在は、158円77~77銭と前日(午後5時、158円26~28銭)比51銭のドル高・円安。

 午前は時間外取引での米長期金利上昇や国内輸入企業の買いに支援され、159円10銭台に上昇した。その後は、週末を控えた利益確定や持ち高調整の売りに押され、158円80銭台に緩んだ。午後は介入警戒などから、158円80~90銭台で伸び悩んだ。終盤は6月の仏独のPMIが製造業、サービス業ともに市場予想を下回ったことでユーロ売り・円買いが進み、ドル円も158円60銭台に下落した。

 前日の米国市場では、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁が「インフレ率が2%に戻るには1、2年かかるだろう」と利下げに慎重な姿勢を姿勢を示したことなどから長期金利が上昇し、ドル円は159円に迫った。市場関係者は「欧州で利下げが進む一方、米国では利下げが先送りされるとの見方から、ドル円は水準を切り上げた」(国内銀行)と話す。

 東京市場のドル円は、米利下げ先送り観測のほか、日銀の追加利上げが後ずれするとの思惑などから、水準を切り上げた。もっとも、160円接近で介入警戒感が強まっており、一段の買いは手控えられた。市場からは「159円台で週末を迎えたくない個人は多い」(FX会社)との声も聞かれた。

 ユーロは対円、対ドルで下落。終盤、仏独PMIの低調な結果を受けて、売りが強まった。午後5時現在は、1ユーロ=169円44~56銭(前日午後5時、169円73~74銭)、対ドルでは1.0676~0676ドル(同1.0724~0724ドル)。