ノンバンク、米大手銀への波及リスク増大=NY連銀

AI要約

ニューヨーク連銀のエコノミストは、ノンバンクが米大手銀行にとって大きなリスクとなっていると警鐘を鳴らしている。

市場全体のストレスが高まると、ノンバンクが銀行に対する流動性需要を高めるため、市場に深刻な混乱をもたらす可能性があると指摘されている。

銀行とノンバンクのリスクの相関は増加しており、特に商業用不動産ローンにおいて相互作用が鮮明になる可能性があると強調されている。

Michelle Conlin

[ニューヨーク 20日 ロイター] - 米ニューヨーク連銀のエコノミストは20日、ブログ「リバティー・ストリート・エコノミクス」で、ノンバンクが米大手銀行にとって一段と大きなリスクになっていると警鐘を鳴らした。

市場全体のストレスが高まる局面ではノンバンクがタームローンや信用枠を求めるため、銀行に対する流動性需要が高まる。ブログはこうした大手銀への依存が「ショックの伝達と増幅のベクトル」となり、当局が一斉に介入せざるを得なくなる可能性があると指摘。市場に深刻な混乱をもたらす恐れがあるとした。

また、銀行とノンバンクのリスクの相関は現在80%を超え、2008年金融危機前の約65%から着実に上昇してきたとした。

アナリストらは商業用不動産(CRE)でこうした相互作用が一段と鮮明になる可能性があると指摘する。米抵当銀行協会(MBA)によると、CREローンの残高4兆7000億ドルのうち、5分の1に当たる9290億ドルが24年に返済期限を迎える。

ブログはCREローンについて、住宅ローンと異なり一般的に返済期間が短く、満期時に支払うバルーンペイメントも大きいとし、銀行とノンバンクが互いに密接につながっていることを認識した金融規制とシステミックリスク監視体制が必要だと強調した。