「商流・家計にしっかり寄り添う」「リアルとデジタルの融合という看板を進化」…りそなホールディングス・南昌宏社長

AI要約

日本銀行が金融緩和策を終了し、金利のある世界が到来。預金競争激化により差別化が必要。りそなホールディングスの南昌宏社長は、法人と個人向けの預金に重点を置き、デジタルとリアルの融合を強化。店舗数を維持しながら、リアルとデジタルの接点を拡充し、コスト削減と顧客満足を追求。

 日本銀行がマイナス金利政策など大規模な金融緩和策を終了し、金利のある世界が到来した。金融機関では、融資の原資となる預金の獲得競争が激しくなっている。りそなホールディングスの南昌宏社長に話を聞いた。(聞き手・遠藤雅)

 ――預金獲得競争で差別化を図るため、柱になるものは何か。

 「もともと安定的で粘着性の高い個人向け預金に支えられている金融グループだが、社会産業構造が変わり、テクノロジーも大きく進化する中で、法人も個人も決済のあり方が随分変わってきている。

 法人は商流にしっかりと寄り添って、お金の流れをデジタルやデータで支えることが重要だ。個人向けは家計に寄り添うことが非常に重要なポイントだ。わが社のグループの機能やサービスを利用してもらうのが、流動性のある預金の滞留につながっていくと思う。そういう意味で、決済分野への傾注は非常に大きなことだ」

 ――りそなの強みは。

 「デジタルはずっと磨いてきたが、店舗数が800を超えるリアルのチャネルとデジタルが融合するような、お客様にとっての接点を本当の意味で拡充していく。このことが、次世代リテール金融を支える一番の土台になる。当然、デジタルやデータは磨きをかけていくが、最後は深いコンサルティングで支えないといけないところはたくさんある。法人向けだと経営戦略に近いところだし、事業承継もそうだ。今後も、リアルとデジタルの融合という看板を進化させていきたい」

 ――店舗を維持するにはコストもかかる。

 「お客様の顧客接点をリアルとデジタルで支えるというのが基本的な考えで、今までのような営業店のあり方のままではなくなると思う。地域に営業店がある意味を再定義しないといけない。裏側で支えているのがデジタルとデータで、業務プロセスそのものを変えてしまうことになる。

 店舗は完全に、フェーストゥーフェースで、コンサルティングをしていくような流れに変わっていく」