ヘッジファンドが豪銀最大手を空売り-バリュエーション世界最高級

AI要約

ヘッジファンドのリーガル・ファンズ・マネジメントがオーストラリアのコモンウェルス銀行の株を空売りしている理由について、世界最高級のバリュエーションと将来の利益減少の予測を述べた。

オーストラリアの銀行は競争にさらされており、厳しい資本規制の影響も受けていると指摘。リーガルは25%のリターンを上げる成功を収め、その成長が注目を集めている。

キング氏は、コモンウェルス銀行が過去10年間の利益伸びが停滞している点と、株価の高さから今後のリスクを危惧している。

(ブルームバーグ): ヘッジファンド、リーガル・ファンズ・マネジメントの最高投資責任者(CIO)、フィリップ・キング氏は、オーストラリアの銀行最大手、コモンウェルス銀行(CBA)の株を空売りしている。世界最高級のバリュエーションを理由に今年初めにショートポジションを開始した。

CBAの株価収益率(PER)は22倍で、MSCI世界銀行指数構成銘柄の中で最も割高。米銀JPモルガン・チェースは11.7倍だ。キング氏はCBAの1株当たり利益が今後数年に減少すると予想している。

「オーストラリアの銀行は今、あらゆる角度から競争にさらされている。後払い決済業者が消費者向け貸し付けでシェアを奪い、ノンバンクがビジネス向け融資でシェアを奪い、プライベートクレジットがローン全体で進出している」とキング氏は指摘した。

さらに、厳しい資本規制が豪州の銀行の「競争力をますます低下させている」と付け加えた。

リーガルは2004年に2人だったチームを約145人にまで増やし、シドニー、シンガポール、ニューヨークのリーガル・パートナーズ・グループのオフィスで約120億豪ドル(約1兆2500億円)を運用している。ブルームバーグがまとめたデータによると、リーガル・ロング・ショート・オーストラリア株式ファンドは過去1年に25%のリターンを上げ、同業他社の約80%を上回っている。

CBAの広報担当者はコメントを控えた。

キング氏はCBAについて、「20年にわたり1株当たり利益の力強い伸びによって株価がけん引されてきたが、ここ10年は伸びが停滞している」と指摘。現在「世界で最も割高な銀行の一つであり、当社の予想するように1株利益が低下すれば今後10年で株価が下落する可能性がある」と説明した。

原題:Hedge Fund Regal Takes Short Position in Biggest Australian Bank(抜粋)