対面営業の強み活かすビジネス展開 6月から新たなリスク分析サービスも提供 SMBC日興・吉岡社長

AI要約

SMBC日興証券の吉岡秀二社長が新たな資産管理型ビジネスを推進し、対面営業の強みを生かした投資を重視。再発防止策の機能確認や信頼回復にも力を入れる。

新たなリスク分析サービスを提供し、対面営業を強化。相互理解を深める分析営業を展開する方針を示す。

若年層など新規顧客の取り込みとインターネット証券に対応するための新しいサービス展開を模索。日本株の注目度が上昇し、株式市場にはポジティブな見通しが示唆されている。

対面営業の強み活かすビジネス展開 6月から新たなリスク分析サービスも提供 SMBC日興・吉岡社長

4月1日付で就任したSMBC日興証券の吉岡秀二社長は17日までに産経新聞の取材に応じた。新たなNISA(少額投資非課税制度)導入や好調な株式市場を追い風に、対面営業の強みを生かした長期・分散投資を軸とする資産管理型ビジネスを一層推進する。令和4年に金融庁から行政処分を受けた相場操縦事件を契機に導入した再発防止の枠組みが機能しているかも確認し、信頼回復にも努める。

吉岡氏は、平成29年に富裕層向けに導入したリスク分析サービスを改良した新たなサービス提供を6月から始めたことを明らかにした。対面営業を行う社員が顧客のニーズに対してより幅広く対応できるようになったといい、「お客さまとの相互理解が深まるような分析営業を進めたい」と語った。

前社長の近藤雄一郎氏から引き継いだ、相場操縦事件を受けた再発防止や信頼回復に向けた取り組みも進める。吉岡氏は「問題の解消に向け、枠組みが機能しているかをチェックしたり、高度化を進めるのが自分の仕事だ」と抱負を語った。

「貯蓄から投資へ」の流れが強まる中、新たに投資を始めた若年層などの取り込みも課題だ。吉岡氏は「対面営業が中心だが、(インターネット証券の顧客を視野に)どうサービスを展開していくかは考えていく必要がある」と意欲を見せた。

好調な企業業績や高水準の賃上げなどを背景に、日本株が昨年ぐらいから海外の投資家の間でも注目を集めていると分析。米国経済や為替の状況にもよるが、株式市場について、「9月ごろにかけて、日経平均株価が4万4千円程度に達する可能性はある」との見通しも披露した。(永田岳彦)