東邦チタニウムが「チタン多孔質薄板」量産化。20億円投じ工場新設

AI要約

東邦チタニウムは新素材の多孔質チタン薄板の量産化に乗り出すことを発表した。水素製造装置向けの電極部材に需要が高まり、約20億円を投じて新たな量産ラインを設立する。

新素材は「WEBTi(ウェブチタン)」と呼ばれ、通気性や通液性の特性に加え、耐食性や電導性を兼ね備えている。

同社は新素材をPEM型の水電解装置の部材に使用することで欧州企業を中心に需要の拡大を見込んでおり、新規事業の拡大を図っている。

 東邦チタニウムは14日、自社開発した新素材の多孔質チタン薄板の量産化に乗り出すと発表した。水を電気分解するタイプの水素製造装置の新たな電極部材向けに需要が高まると判断。約20億円を投じ、茅ヶ崎工場(神奈川県茅ヶ崎市)構内に量産ラインを新設する。

 2026年1月の本稼働を目指す。

 新素材のブランド名は「WEBTi(ウェブチタン)」。純チタンの粉や繊維を原料に焼結工程などを経て造る。通気性や通液性といった多孔質材の利点に加え、チタン特有の耐食性や電導性を兼ね備えるのが特長だ。

 同社ではこうした複合的な材料特性が、水素製造に用いる固体高分子型(PEM型)の水電解装置の「多孔質輸送層」と呼ばれる部材用途に適すると見て、これまでサンプル出荷を通じ国内外の市場動向を探ってきた。欧州企業を中心に需要の本格化を見込み、量産を決めた。

 同社は新規事業の創出に力を入れている。今回の取り組みもこの一環。チタン事業を補完する新たな収益源に育てたい考えだ。