〔NY外為〕円上昇、一時155円台後半=米CPI予想下振れ受け(12日午前)

AI要約

米インフレ指標が市場予想を下回り、円買い・ドル売りが活発化。円相場は1ドル=155円80銭近辺まで上昇。

米消費者物価指数の伸び率が低下し、インフレ圧力緩和の兆しが示唆される。日米金利差縮小を意識した取引が円高・ドル安をもたらす。

しかし、FOMC声明や議長の会見を控え、様子見ムードが広がる。ユーロは対ドルで15銭の円安・ユーロ高。

 【ニューヨーク時事】12日午前のニューヨーク外国為替市場では、市場予想を下回る米インフレ指標の発表を受け、円買い・ドル売りが活発化し、円相場は一時1ドル=155円80銭近辺まで上昇した。午前9時43分現在は155円90銭~156円00銭と、前日午後5時(157円09~19銭)比1円19銭の大幅な円高・ドル安。

 ニューヨーク市場は、157円30銭台で取引を開始。米労働省が朝方発表した5月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比3.3%上昇と、伸び率は前月(3.4%)から低下し、市場予想も下回った。変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数は3.4%上昇と、伸び率は前月から縮小。インフレ圧力緩和の兆しが改めて示唆されたと受け止められ、米長期金利の指標である10年債利回りが4.4%台から一時4.2%に急低下。日米の金利差縮小を意識した円買い・ドル売りが活発化し、円はレンジを切り上げた。

 ただ、この日午後は、米連邦公開市場委員会(FOMC)声明や最新の景気・金利見通し(ドットプロット)に加え、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見を控え、様子見ムードも広がっている。

 ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.0830~0840ドル(前日午後5時は1.0735~0745ドル)、対円では同168円80~90銭(同168円65~75銭)と、15銭の円安・ユーロ高。