家のような巨大ダンプにクレーン車にブルドーザー! 運転&操縦には何の免許が必要?

AI要約

建設機械とは土木・建築などの工事現場で使用される作業車両のことで、様々な種類が存在する。

建設機械の運転には特殊自動車の免許が必要であり、労働安全法に基づく規制も存在する。

一部の大型特殊自動車は公道を走行しない限り運転免許が不要であるが、安全な運転にはベテランの運転手が必要である。

家のような巨大ダンプにクレーン車にブルドーザー! 運転&操縦には何の免許が必要?

 建設機械とは土木・建築などの工事現場で、作業車両として使用される機械全般のことをいう。ブルドーザー・クレーン車・ショベルカーがその代表的なものだ。小型・中型車両は道路工事などで見かけることも多いが、大型のものは閉鎖された現場で使用されることが多く、なかなか目にする機会がない。自動車にはない魅力があるので、一度運転してみたいと思う人も多いようだ。

 建設機械の車両分類は「特殊自動車」になる。これは、特殊な用途(単純に走行するだけではなく、何らかの特殊な作業を行う車両)のために特殊な形をしている車両という意味だ。具体的な定義は、道路運送車両法と道路交通法の各々によって違いがある。前者は公道を走る車両という観点で制定されており、後者は公道を安全に走行するという視点に立つ。すなわち、公道を走らない建設機械はどちらも適用外になるのだ。

 運転するための免許に関係するのは、道路交通法である。運転免許の種類には普通免許・大型免許などがあるが、同様に小型特殊(一定の大きさ以下で、速度が15km/h以下の特殊自動車)免許と大型特殊免許(小型特殊自動車に該当しない特殊自動車)が存在し、該当する免許を所持していなければ公道の走行はできない。

 これらは独立した免許で、小型特殊免許のみを所持する場合、小型特殊自動車だけを運転することが可能になる。大型特殊免許は運転可能範囲が少し広がり、大型特殊自動車・小型特殊自動車・原動機付自転車を運転することができる。ただ、一般的には普通・中型・準中型・大型免許取得者が合わせて取得する場合がほとんどのようだ。

 しかし、これらの免許では単に特殊自動車で公道が走れるというだけのことだ。実際の作業を行うにあたっては、労働安全法に基づく規制が存在する。この法律は「労働災害の防止」を目的としているため、安全に作業ができるスキルを作業者に習得するよう求めているわけだ。これにより必要となる作業免許や資格は、クレーン・リフト・ゴンドラ・不整地運搬・高所作業・木材関連作業・巻き上げ機運転など、多岐に及んでいる。

 これらの免許や資格は、講習などを各都道府県が定める「登録教習機関」で受けて、修了することによって取得できる。注意が必要なのは、同じ作業分野であっても作業内容(高さ・容量など)によって、免許や資格の内容が異なることだ(たとえば高所作業車であれば作業床の高さで講習内容が変わるなど)。また、道路交通法・道路運送車両法とは異なり、本法律の規制は業として作業をすることに適用されるため、私有地であっても無免許・無資格で作業をすれば、罰則を受けることになる。

 ただ、特殊な作業を行わず、閉鎖された作業現場を走行する建設機械の場合は、少し事情が変わってくる。その代表的なものが、マイニングダンプだ。大きさは、全高7m・全幅10m・全長15m程度あるから、ほぼ3階建てのビルが走っているようなものだ。このような大きな車両でも、2軸4輪であれば労働安全法の適用外になる可能性が高い。すなわち、なんの免許・資格がなくても運転が可能だということだ。

 とはいえ、実際は未経験者に運転させるということは考えられない。万一事故が起きたときに、事業者が刑事・民事責任を問われかねないからだ。やはり、大型の特殊自動車は、大型免許などを持つベテランでないと操るのは難しいのである。