全国初、70歳以上専用講習所 高齢ドライバー免許更新で活用 受講待ち期間、短縮狙う・埼玉県警

AI要約

埼玉県警が70歳以上のドライバー専用施設「岩槻高齢者講習センター」を開設。免許更新講習を短縮し、安全運転を促進する目的。

センターでは高齢者講習と認知機能検査を行い、年間約7万5000人の受け入れを見込む。

高齢者ドライバーの増加に対応し、待ち期間の短縮が必要とされていた。

 埼玉県警は全国で初めて、70歳以上のドライバー専用施設「岩槻高齢者講習センター」(さいたま市岩槻区)を開設した。

 高齢者の運転免許更新に必要な講習の待ち期間を短縮するとともに、認知機能や身体機能の低下を自覚してもらい、安全運転につなげる狙いがある。

 更新期間満了日に70歳以上となるドライバーは、運転指導と座学から成る「高齢者講習」が義務付けられている。75歳以上は記憶力や判断力を測定する「認知機能検査」も必須で、いずれも同センターで受けることができる。センターでは1日当たり、高齢者講習120人、認知機能検査180人の計300人まで対応可能で、年間計約7万5000人の受け入れを見込む。

 これまでは、70歳未満の免許更新手続きも行われる施設や自動車教習所で高齢者講習なども実施されていたが、高齢ドライバーの増加に伴い、受講待ちの期間が長くなっているとの声が出ていた。

 県警によると、2014年に約48万3000人だった県内の70歳以上の運転免許保有者は、23年に約71万8000人となり、10年間で約1.5倍に増えた。高齢者講習などは更新期間満了日の6カ月前から受講可能だが、予約から実際に講習を受けるまでの日数は平均で約30日(今年4月末時点)という。

 センターが開設された先月27日には、講習を受けるため高齢者約150人が訪れた。春日部市の津久井宏さん(77)は「1カ所で全ての講習を行えて良かった」などと感想を述べた。

 県警運転免許課の金泉豊次席は「待ち日数を可能な限り短縮し、高齢者の方々に安心して更新期間を迎えていただきたい」と話した。