英で自動車排ガス不正裁判、ディーゼル車顧客150万人が訴え

AI要約

自動車メーカー13社が排ガス試験不正で補償を求められる裁判が英国で行われた。

補償請求額は最低でも60億ポンドに上る可能性があり、VW事件の余波が続いている。

原告側は車種ごとの補償請求額を4000ポンドと想定し、裁判に向けて準備を進めている。

英で自動車排ガス不正裁判、ディーゼル車顧客150万人が訴え

Sam Tobin

[ロンドン 11日 ロイター] - 独メルセデスベンツや米フォード・モーターなど世界の自動車メーカー13社が排ガス試験で不正を働いたとして、ディーゼル車の所有者約150万人がこれらの社に補償を求める裁判の予備審問が11日、英高等法院で行われた。補償の請求額は少なくとも合計60億ポンド(76億ドル)に上る可能性がある。

2015年に発覚した独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の排ガス規制逃れ問題の余波が、今も続いている形だ。VWは試験の際に不正な装置を用いたことを認めている。

メルセデスベンツやフォードは、一部車種について窒素酸化物の排出基準の順守状況を顧客に誤解させたことでも訴えられている。両社はこれを否定している。

原告側の弁護士は裁判所に提出した文書で、個々の補償請求額はまだ特定できていないが、1人4000ポンドと控えめに見積もっても合計60億ポンドになると説明した。

約30万人から訴えられているメルセデスベンツの広報担当者は声明で、訴えには根拠がないとし、強く抗弁していく構えを示した

フォードの広報担当者も「当社の車両とエンジンは、適用される全ての排ガス基準を満たしている」と述べ、徹底的に争う方針を表明した。