【バス運転士不足問題】「風が吹けば桶屋が儲かる」方式で近未来を大胆予測してみた!!

AI要約

路線バスの減便や廃止が引き起こす交通機関の連鎖効果について述べられている。

バスの廃止による通学や通院の影響や鉄道利用者への影響が懸念されている。

住宅地の開発やバス路線の重要性について考察している。

【バス運転士不足問題】「風が吹けば桶屋が儲かる」方式で近未来を大胆予測してみた!!

 「風が吹けば桶屋が儲かる」とは思いもよらないところに影響が出る様を表す成句だが、転じて当てにならないことの例えにも使われる。運転士が不足してバス路線がこのまま減り続けると最終的にどうなってしまうのか?桶屋が儲かるように思いがけない影響が出る大胆予測。

 文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)

(写真はすべてイメージで本文とは関係ありません)

 特に路線バスは、駅や港、空港等の大規模な輸送機関の拠点からの二次交通機関であることが多い。たいていは自宅最寄りまで(から)送ってくれる最終手段だ。

 その最終手段が減便や廃止で最悪なくなってしまうと、バスに乗れなくなるので歩くしかない。もちろん自転車でもいいのだが、とにかく駅までは自力だ。

 数キロの距離であればそれも可能だろう。交通を自家用車に完全に切り替えてしまうことはすでに地方では起こっている。こうなると一次交通も使わなくなるので鉄道に多少の影響は出る。しかしまだ誤差の範囲だ。

 こどもや高齢の通学や通院の足は自家用車というわけにはいかない。自転車でも厳しい距離の場所に住んでいると、通学ならば保護者の自家用車で駅まで送迎する。高齢者の通院であればタクシーを利用する等の代替手段が考えられる。

 駅の周辺にある、あるいは幹線道路沿いにある住宅地は昔から人が住んでいたので交通機関に困ることはない。もっとも鉄道が廃止されてしまえばそれまでだが、それはまた過疎化という別の問題だ。

 そうでない宅地は後世になって切り開いて造成したところだ。都市部ならニュータウンと呼ばれたことが多かったのではないだろうか。そのような宅地は不動産会社や鉄道会社が造成して宅地として売り出す。

 鉄道会社が自社線沿線で開発する場合は、たいていの場合、自社系列のバス路線を引く。駅までの輸送と都心部までの輸送を自社グループで引き受けるためだ。

 これらのラストワンマイル交通機関がなくなると、そもそもそこに住む意味がなくなってしまう。鉄道会社が造成したニューナウンならば責任があるので路線廃止にはならないだろうが、そうでない場合はバスがあるから住んでいるという理由もあるはずなのだ。

 そのバスがなくなれば、もはや動けなくなり自転車利用や自家用車シフトができなければ宿替えを考えなければならなくなる。そんな不便な場所に、これから住もうという人が出るだろうか。みんなが駅周辺に集中し郊外には誰もいなくなるという現象が起きるかもしれない。