仏で極右が躍進、下院解散へ 欧州議会選

AI要約

フランスとドイツにおける極右政党の躍進が報じられた欧州議会選挙の結果を受け、マクロン大統領が国民議会の解散と総選挙の実施を表明。

極右政党が得票率を伸ばし、中道左派が苦戦した結果、欧州議会全体では主要な中道会派が過半数を維持する見通し。

選挙結果を受けて、欧州委員長候補のウルズラ・フォンデアライエン氏は、中道右派のEPPを支持基盤として極左・極右勢力に対抗する強固な姿勢を示す。

【AFP=時事】欧州議会(European Parliament、定数720、任期5年)選挙は9日、加盟27か国で投票が終了した。フランスでは極右勢力の躍進を受け、国民議会(下院)の解散、総選挙の実施が決まった。欧州議会全体では、主流の中道会派が過半数を維持する見通し。

 エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領は、同日の出口調査で、極右のマリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)氏率いる「国民連合(RN)」に自身が率いるリベラルな与党連合が惨敗した結果を受け、下院の解散と総選挙の実施を表明した。

 RNは、得票率でマクロン氏の政党「再生」の2倍超となる約33%を獲得し、議席を31に増やす見込み。

 ドイツでも、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が16%を獲得し、第2党に浮上。オラフ・ショルツ(Olaf Scholz)首相の中道左派「社会民主党(SPD)」は14%で、3位に転落した。

 生活費高騰などもあり、欧州の有権者3億6000万人超のうち多数が、移民排斥を唱える極右の主張になびいた形だ。

 一方、議会全体では、主要な中道3会派は議席数を若干減らしながらも720議席中401議席を獲得し、過半数を維持する見通しとなっている。

 このうち中道右派の「欧州人民党(EPP)」は186議席を得て第1党となり、これに中道左派の「欧州社会・進歩連盟(S&D)」が133議席、中道の「欧州刷新」が82議席で続く見込み。

 欧州委員長職の続投に意欲を見せるウルズラ・フォンデアライエン(Ursula von der Leyen)氏は、支持母体のEPPについて「私たちは安定の要」だと述べ、「他の会派と共に極左・極右に対抗するとりでを築き、そうした勢力を阻止する」と訴えた。【翻訳編集】 AFPBB News