債券自警団、インドの財政ポピュリズム警戒-モディ首相は圧勝ならず

AI要約

インド総選挙でモディ首相が予想されたほど大きな勝利を得られなかったことから、債券投資家の間ではポピュリズムの拡大が懸念されている。

総選挙の結果はトレーダーにとって想定外の内容で、インド資産が売られる状況となり、株価や債券利回り、通貨ルピーに影響を与えた。

投資家は与党の議席数が期待よりも少なかったことに失望し、今後の政策がポピュリズム的になることや財政の再建に影響が出ることを懸念している。

債券自警団、インドの財政ポピュリズム警戒-モディ首相は圧勝ならず

(ブルームバーグ): インド総選挙でモディ首相が予想されたほど大きな勝利を得られなかったことから、債券投資家の間ではポピュリズムの拡大が懸念されている。

財政規律は10年に及ぶモディ政権を象徴する政策運営の一つだ。多くの投資家は与党が過半数を大きく上回る議席を確保し、次期予算編成で財政赤字削減と一段の政府借り入れ縮小を実施すると期待していた。

インド総選挙、与党が単独過半数割れ-モディ氏は続投の意向表明 (1)

しかし総選挙の結果はトレーダーにとって想定外の内容で、4日のインド資産売りにつながった。株価は過去4年間で最悪のパフォーマンスとなり、債券利回りは昨年10月以来の大幅上昇となったほか、通貨ルピーは過去最安値付近で推移した。

ICICIプルデンシャル・アセット・マネジメントは選挙結果を受けて大衆迎合的な予算が組まれる可能性があるとして、10年物国債の戦術的債券エクスポージャーのコールを終了したとリポートで指摘した。

選挙結果を見ると、モディ首相率いる与党・インド人民党(BJP)は単独過半数に届かず、政権樹立には選挙前に手を組んだ2政党の支持が必要になる。このBJPを軸とする与党連合「国民民主同盟(NDA)」の獲得議席は大半の出口調査で示された350議席を大きく下回っている。

トラスト・ミューチュアル・ファンドのサンディープ・バグラ最高経営責任者(CEO)は、「講じられる措置がポピュリズム的な内容となり、支出が増え、財政再建にストレスがかかるのではないかと憂慮されており、いずれの懸念も強まっている」と指摘した。

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原題:Bond Vigilantes Worry as Weak Modi Win Fans Fiscal Populism Fear(抜粋)

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