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「年収1200万円超は金持ち」という前提がおかしい…ひろゆき「日本では頑張る人ほど税金を搾り取られる」
日本の児童手当の所得制限の背景には、徳川幕府の政策に見られるように、政権の安定を保つためには一定の所得を持たせない方針があることが理解できる。
現在の政策も同様に、高所得者世帯に対する特例給付廃止が行われており、年収1200万円を「お金持ち」と位置づけられている。
しかし、実際には年収1200万円では都心部での生活に困難を抱えることもあり、所得制限の適正性に疑問を呈する意見も存在する。
国の児童手当には年収1200万円以上の世帯には支給しないという「所得制限」がある。なぜこうした施策が行われているのか。2ちゃんねる創設者のひろゆきさんの著書『税弱な日本人からふんだくるピンハネ国家の不都合な真実』(宝島社)より、一部を紹介する――。
■徳川幕府の「百姓は生かさず殺さず」
江戸幕府の農業政策を表す象徴的な言葉として「百姓は生かさず殺さず」というものがありました。
要するに、お百姓さんには贅沢をさせないが、日々の暮らしに困らない程度のお金は残せるくらいにしておくのが、当時の政策としては最良だったということです。
これは徳川家康の言葉とも、その家臣の本多正信の言葉とも言われていますが、実際こうした政策が功を奏して、江戸幕府は300年(実際は260年くらい)もの長きにわたり続くことになりました。
もし農民にお金が貯まるような政策を行っていたら、農民が武器を買ったり集団で兵隊を雇ったりして、幕府に歯向かうことになったでしょう。
そこで徳川幕府は、お百姓さんには財産が残らないようにして、ギリギリのラインで生活が続けられるところまで年貢(今で言う「税金」)を取り立てたわけです。
■現在の日本社会でも同じことが行われている
この時代の言葉にもう1つ、「百姓と胡麻の油は、絞れば絞るほど出るものなり」というものがありますが、ギリギリまで税を搾り取って政権の安定を保っていたわけです。
これってまさに、現在の日本の社会でも同じことが行われているのではないでしょうか。
たとえば、児童手当法が改正されて、2022年10月の支給分から、年収1200万円を目安とする高所得者世帯への児童手当の特例給付が廃止されました(図表1)。
この改正で、給付対象から外れた子どもの数は全体の約4%の約61万人と言われています。
■年収1200万円が「お金持ち」と位置付けられている
「年収1200万円」というのは、厳密に言うと、扶養人数などによって、金額が変わります。それよりも僕が疑問に思ったのは「年収1200万円」の人ないしはその家庭が「高所得者世帯」、いわゆる「お金持ち」と位置づけられていることです。
確かに年収1000万円を超える世帯は、一般的に「高所得」と見なされるのかもしれません。
だから政府も「お金持ちなんだから児童手当はいらないよね」っていう名目でこういう政策を打ち出し、一般市民もそれに簡単に同意するわけです。
でも、そもそも年収1200万円の家庭って、そんなにお金持ちなのでしょうか?
■東京都内に住むなら年収1200万円では足りない
以下は概算ですが、1200万円を12で割ると月収は100万円になります。
そこから所得税や住民税などの税金を引かれ、社会保険料などを支払うと、手元に残るのは75万円くらいになります。
月75万円の手取り収入で東京都内に住むのは、正直言って結構ハードです。
ましてや子どもが2人くらいいると、家もそれなりの面積が必要なので、たとえばお金持ちの多そうな港区あたりに住んだ場合、安い3LDKでも家賃は30~40万円くらいになります。
子どもがいるので、買い物や学校・幼稚園の送迎などで車が必要になります。
そこで車の維持費もかかりますし、駐車場も港区あたりだと5万円くらいにはなります。