英下院解散、7月4日投開票 与党劣勢、野党リード広げる

AI要約

英国の下院解散。7月4日の総選挙に向けて保守党と労働党の戦いが激化。

保守党は支持率で労働党に大差をつけられており、厳しい状況。

労働党は医療や経済政策を重点的にアピールし、選挙に弾みをつけている。

 【ロンドン時事】英下院(定数650)が30日、解散した。

 7月4日に投開票される総選挙の選挙戦は既に本格化しており、与党・保守党のスナク首相は「国民が未来を選ぶ日に集中している」と勝利を目指す姿勢を強調。しかし、支持率でリードする最大野党・労働党との差は開いており、保守党が劣勢を挽回するのは困難な情勢だ。

 解散前日の29日、議会質疑で与党の支持率低迷について問われたスナク氏は「これから5週間、できるだけ多くの人と話をするため駆け回る」と述べ、政権維持に向け選挙活動に全力を傾けると表明。「世論調査は気にしていない」と強気に振る舞った。

 各種世論調査で保守党は労働党に20ポイント前後のリードを許している。スカイニューズが29日に公表した最新結果では、その差は27ポイントまで拡大した。

 スナク氏は、選挙実施は今秋だという大方の予想の裏をかき、経済好転の兆しが見えた瞬間を捉えて早期解散を決断した。だがスカイニューズは、スナク氏の「サプライズ解散」は保守党の支持率上昇につながっていないと指摘。党内には焦燥感が広がる。

 勢いに乗る労働党は、国民の関心の高い医療や経済に関する政策を次々と発表。スターマー党首は、政権を奪取した暁には政策実現に「初日から取り組む」と意気込む。スナク氏とスターマー氏は、6月4日に最初のテレビ討論に臨む予定だ。