中国観光業、大幅の回復も支出節約目立つ 労働節の大型連休

AI要約

中国の国民が今年の労働節に大幅な旅行増があった一方で、支出額は減少傾向にあることが明らかになった。

特に不動産業界の低迷が消費者を慎重にさせており、消費者の支出に影響を与えている。

労働節における中国国民の支出額の減少は、他の消費部門でも見られ、小売り売上高や消費者インフレ価格にも影響を与えている。

香港(CNN) 中国の文化観光省は30日までに、今年5月の労働節(メーデー)に伴う5日間の大型連休での国民の旅行動向に触れ、観光旅行は大幅増となったものの支出額を切り詰める傾向が浮き彫りになったと報告した。

国内経済の減速や雇用情勢に陰りが出ている中で消費者が支出にまだ慎重な姿勢にあることをうかがわせる指標ともなっている。特に家計に最も響くとされる不動産業界の低迷が消費者を強く警戒させている局面ともなっている。

同省によると、労働節での大陸内での旅行件数は計2億9500万件。計4日間で計算していた2019年の同期間比では28%増を示した。20年になって中国は新型コロナウイルス禍に襲われ、旅行需要が一気にしぼむ結果となっていた。

今年の労働節休暇での旅行関連の事業収入は約236億米ドル相当で、19年の同期比では13.5%増だった。半面、旅行客が支出額の節約に動いたことを意味するともし、この額は平均して6%減の80ドルに下落したという。

中国国民が労働節に財布のひもを固くした兆候は他の消費部門でも見て取れた。映画館に出向いた人数は約3777万人。19年は3509万人。ただ、支払った料金総額は19年とほぼ同じ水準だったという。

中国国家統計局によると、今年3月の小売り売上高は前月の5.5%から3.1%に伸びが鈍った。消費者を対象にしたインフレ価格は前年比で0.1%増に弱まったとした。2月には0.7%増で過去半年で初の増加だったとした。