北朝鮮で子どもの名前に「ハナ」「統一」は禁止 なぜ?

AI要約

金正恩政権が南北統一を連想させる名前を子どもに付けることを禁止したことが判明した。

金政権は朝鮮半島統一方針を放棄し、統一に関連する表現を排除する動きを加速している。

統一省当局者は、名前に「ハナ」や「統一」が含まれる子どもたちに統一について考えないようメッセージを送ろうとしていると分析している。

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)政権が朝鮮語で「一つ」を意味する「ハナ」や「統一(トンイル)」など、南北統一を連想させる名前を子どもに付けるのを禁止したことが判明した。韓国統一省の当局者が明らかにした。

 金政権は1月、金日成(キム・イルソン)主席時代からの「朝鮮半島統一」の方針を完全に放棄。韓国との関係を「同族でなく、第一の敵対国」と位置づけた。これに伴い「統一」に関連する表現などを排除する動きを急速に進めており、名前の規制もその一環とみられる。

 統一省当局者は「ハナ」「統一」といった名前について「多くはないと思う」としたうえで「住民に対して『今後は統一について考えるな』とのメッセージを伝える狙いだろう」と分析した。すでに名付けられた人が改名を命じられているかどうかは不明という。

 北朝鮮は平壌にあった「祖国統一3大憲章記念塔」を撤去。国歌の歌詞からも朝鮮半島全体を示す「三千里」との言葉が消された。朝鮮労働党統一戦線部も別の名称に変更するなど、「統一」を示す構造物や表現の排除が進められている。【ソウル福岡静哉】