釜山の「回し蹴り男」、収監中に「脱獄したら殺してやる」と発言していた

AI要約

20代女性が一人で帰宅中に回し蹴りを受け、暴行された「釜山回し蹴り事件」の加害者A被告が拘置所から脱獄したら被害者に報復すると発言したことが証言された。

ユーチューバーB氏と別の証人C氏が、A被告の報復脅迫に関する証言を公表し、A被告の犯行動機について明らかにした。

加害者A被告は報復・脅迫を否定しており、被害者と拘置所内の関係者が異なる証言を述べている。

釜山の「回し蹴り男」、収監中に「脱獄したら殺してやる」と発言していた

 一人で帰宅した20代女性に回し蹴りをして転倒させ、暴行した「釜山回し蹴り事件」の加害者A被告(30代)が「拘置所から脱獄したら被害者に報復する」と発言したとの証言が明らかになった。

 釜山地方裁判所西部支部第1刑事部(李真宰〈イ・ジンジェ〉部長判事)は27日午後、報復脅迫罪で起訴された、いわゆる「釜山回し蹴り事件」の加害者A被告に対する公判期日を開いた。

 この公判期日では、A被告と同じ拘置所の収監室に昨年初め収容されていたユーチューバーB氏が画像を通じて証人尋問に臨んだ。B氏は「拘置所収容中に外部の病院に行ったことがあったが、その度にA被告に病院の構造を聞かれ、『出所したら病院に、キーを差したままのバイクを用意してほしい』と言われた。また、いつも被害者の集合住宅の名前を言い、『脱獄したら(そこへ)行って殺す』と話していた」と証言した。

 さらに、「A被告は『被害者のせいで、一審で傷害事件ではなく殺人未遂罪により起訴された。そして懲役12年と言い渡された』と話し、非常に悔しがっていた」と述べた。

 しかも、A被告は「オレは言論プレー(世論操作)の被害者だ」とも言ったという。B氏は「A被告は『被害者の言論プレーのせいでオレは重い刑を言い渡された。(B氏の)ユーチューブ・チャンネルで無念を晴らしてほしい』と言った。A被告は『このように言論プレーをするなら、被害者はいつ、どこで死ぬか分からない』とも言った」と証言した。そして、「A被告はユーチューブ・チャンネルを利用して被害者に心理的プレッシャーを加え、これ以上事件が公にならないようにする目的で脅迫したものとみられる」と言った。

 B氏は「A被告の手帳には回し蹴りの被害者だけでなく、一審判決を言い渡した判事、検事、元交際相手などの報復対象の人物名が書かれていたが、これを破って廃棄した」とも話した。また、別の証人C氏も同じ内容の証言をした。

 だが、A被告は報復・脅迫を否定した。A被告は「私と仲が良くなかった収容者たちがユーチューブで収益を上げるために口裏を合わせて虚偽の証言をした」と主張した。

 これに対してB氏は「ユーチューブ・チャンネル登録者数のためではない。何とか刑量を減らそうとしているA被告がきちんと処罰され、被害者を守りたいという気持ちから、拘置所内であったことをユーチューブで話した」と説明した。

 裁判に出廷した被害者は、報道陣に「検事と判事の名前まで紙に書いていたということは、私に対する報復ではなく、国民に対する報復だ。拘置所の収容者たちに虚勢を張って『報復する』と言ったのかと思っていたが、具体的に『バイクを用意してほしい』と言っていたことに驚いた」と語った。

 「釜山回し蹴り事件」は2022年5月22日午前5時ごろ、釜山市鎮区西面でA被告が一面識もなかった被害者を約10分間にわたり追いかけた後、オフィステル共同玄関で無差別暴行したものだ。A被告は当初、殺人未遂容疑で起訴され、一審で懲役12年を言い渡されたが、控訴審で強制性交殺人未遂が適用されて懲役20年と刑が重くなり、大法院(最高裁判所)で確定した。

チョン・アイム記者