「富はまだ白人たちが支配」南アフリカで高まる政治不信 “汚職”で1年に約300日停電 マンデラが目指した理想の国はいま【news23】

AI要約

南アフリカは人口の8割を占める黒人を中心に民主化を果たし、経済成長を遂げた国だが、現在は深刻な電力不足に見舞われており、停電が続いている。

停電により国民の生活に影響が及び、特に貧しい人々には大きな負担となっている。肉や食料が腐るリスクもあり、生活が困難な状況が続いている。

失業率が高く、生活に困窮する人々も多い中、停電の影響で食事もままならず、困難な状況に立たされている。

「富はまだ白人たちが支配」南アフリカで高まる政治不信 “汚職”で1年に約300日停電 マンデラが目指した理想の国はいま【news23】

人口の8割を黒人が占める南アフリカ。その「建国の父」と言えばネルソン・マンデラ氏です。白人以外に対する人種隔離政策を撤廃し、民主的な選挙を実現。それから約30年、アフリカ屈指の経済大国へと成長を遂げた南アフリカですが、縮まらない貧富の差や汚職も絡んだ深刻な電力不足で国が混乱しています。

■混乱の南アフリカ 「災害」といわれるほどの“電力不足”

アフリカ大陸最南端の国、南アフリカ共和国。アフリカ有数の経済大国ですが、いま異例の事態に陥っています。

城島未来 記者

「ヨハネスブルク市内の交差点なんですが、信号機のライトが付かなくなってしまっています。信号の変わりに交差点の真ん中で、手信号をしている人たちがいます。」

それは、「災害」といわれるほどの“電力不足”です。

2023年1年間で300日近くもの間、国全体が停電に。真っ暗な部屋の中で、ロウソクの明かりをたよりに生活する人もいます。

レストランでも冷蔵保存が必要な肉などは停電になると腐ってしまうため、すぐに調理する必要があるといいます。

レストランのオーナー

「停電すると食料がダメになります。特に肉。腐って捨てることになる。」

国民の生活に直結する電力危機。こうしたしわ寄せを最も大きく受けるのは貧しい人たちです。

■黒人の失業率は37% 「どうやって生きていけば…」

最大都市ヨハネスブルクに住む、ンフレニさん(28)。仕事がなく生きるために盗みを繰り返し、20代のほとんどを刑務所で過ごしました。

今は集めたごみをわずかなお金に換えて暮らしていますが、停電が続き、食事にありつけない日も増えたといいます。

ンフレニさん 

「20ランド(=170円)手に入るとします。電気さえあれば、トウモロコシの粉、トマト、じゃがいもを買ってきて調理することができます。でも電気がないので、着火剤を買ってきて火を起こさなくてはいけません。それが22ランドするんです。着火剤を買うだけで、もう赤字なんです」