イスラエル軍、ラファ中心部近くに侵攻 地上部隊増強、空爆は強化

AI要約

イスラエル軍がガザ地区のラファ市に侵入し、戦闘が激化していることが報じられている。

ガザから多くの避難民が流入する病院が燃料不足で閉鎖の危機に瀕しており、人道的な危機が懸念される。

イスラエル政府はハマスとの戦闘を続けながら、人質解放や休戦交渉を模索している。

イスラエル軍、ラファ中心部近くに侵攻 地上部隊増強、空爆は強化

 パレスチナ自治区ガザ地区での戦闘を巡り、ロイター通信は24日、イスラエル軍の戦車などが最南部ラファの中心部近くまで侵入したと報じた。住民によると、戦車はイスラエル軍とイスラム組織ハマスが戦っているラファ東部から西に向かっているという。ただ、中心部付近ではまだ戦闘は起きていない模様だ。

 イスラエルのガラント国防相は23日、ラファの地上部隊を増強し、空爆も強化する考えを示した。ガラント氏は「ハマスの軍事力を奪い、人質を解放させる条件を整えている」と主張した。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)によると、ラファからは80万人以上が避難しているが、一部はとどまっており、人道危機が拡大する可能性がある。

 イスラエルの戦時内閣は22日、人質解放や休戦交渉を巡る協議を実施。地元メディアによると、イスラエルの対外諜報(ちょうほう)機関モサドのバルネア長官は近く、欧州で米中央情報局(CIA)のバーンズ長官と会談する。米国とともに仲介役を担うカタールのムハンマド首相も参加するという。

 イスラエル軍がエジプトとの境界にあるラファ検問所を制圧した6日以降、ガザへの物資の搬入は滞っている。ガザ保健当局は23日、ラファから多くの避難民が流入する中部デルバラーのアルアクサ殉教者病院が、燃料不足で閉鎖の危機にあると発表した。同病院が閉鎖されれば、デルバラーの病院は残り二つになるという。【エルサレム松岡大地】