「ハニー、愛してる。スラック見てないの?」ビジネスツールで愛を囁く夫婦たち

AI要約

夫婦がビジネスツールを使って家庭を管理する事例について紹介。

ビジネスツールを家庭で活用する理由や反応について述べられている。

ビジネスツールを使った夫婦関係の管理に対する意見や考え方について記載。

「ハニー、愛してる。スラック見てないの?」ビジネスツールで愛を囁く夫婦たち

ベン・ラング(30)と彼の妻は、3年前から「Notion」を使って家庭をやりくりしてきた。Notionは、情報整理やタスク管理の目的で使われるビジネスツールだ。しかし彼らの場合は、食料品リスト、ToDoリスト、旅行のプランといったカテゴリーに分類し、夫婦間のタスクを管理する。

ここまでなら、それほど奇妙な行動には見えないかもしれない。だが、以前Notionに勤めていたラングは、「私たち夫婦にとって大切なこと」といった夫婦の“理念”まで管理する。また「学び」のセクションには、愛の言葉や性格診断の結果など、お互いについて発見したことがメモされている。さらには、食事に誘いたい友人からデートの思い出までもがリスト化されているのだ。

ラングは4月に、このテンプレート(25ドル)を売りはじめ、自信満々に「X」でこう宣伝した。

「妻と私は、日々の生活を管理するためにNotionを信心深く使っています。これをテンプレートにしました。見たい方はご連絡ください!」

それに対するネット上の反応は散々だった。ラングは米「ニューヨーク・タイムズ」紙にこう語っている。

「妻が浮気していると言われたり、地下室に死体があるとか、僕が自閉症だとか言われました」

しかし、とくにテック業界で働き、仕事と同じように私生活も管理したいと考えている人たちのあいだでは、家庭にビジネスツールを持ち込むのは「合理的なこと」なのだとニューヨーク・タイムズは指摘する。企業には目標があり、それを達成するためのシステムがある。夫婦関係も同様というわけだ。

一方、アナスタシア・オルト(35)は、プロジェクト管理ツール「Trello」と「Slack」を併用する。彼女にとって「一緒に顔を合わせてスケジュールを考えるのは、一緒に座ってジョークを言い合うより質の低い時間」だ。

そんな彼女のお気に入りは、夫婦が相手への感謝のメッセージを書き込むSlackの「#感謝」チャンネル。「まるで写真アルバムのよう」なのだという。

ビジネスツールで夫婦関係を管理するのは、合理的といえども冷たい印象を与えるかもしれない。だが、前出のラングが売り出したテンプレートは、非難にさらされたものの、すでに2400人が購入している。そしてこうしたシステムのおかげで、パートナーとの時間をより有意義な会話に使うことができると、オルトは信じている。

「食料品について話すために、本当に貴重な時間を使うのは寂しいじゃないですか」