日本製鉄の買収巡り「誤情報を広めている」…USスチール、同業クリフス名指しし非難声明

AI要約

日本製鉄が米鉄鋼大手USスチールの買収を目指している中、USスチールは同業のクリーブランド・クリフスに非難声明を発表した。

USスチールはクリフスが日鉄との取引を邪魔しようと誤情報を流していると批判し、クリフスはこれに反論している。

クリフスは過去にUSスチールに買収提案をして拒否された経緯があり、日鉄の買収計画が米国で政治問題化する中、舌戦が繰り広げられている。

 【ニューヨーク=小林泰裕】日本製鉄が買収を目指している米鉄鋼大手USスチールは21日、同業の米クリーブランド・クリフスに対して「日鉄との取引を邪魔しようと誤情報を広めている」と非難する声明を発表した。クリフスは過去に、USスチールに買収を提案して拒否された経緯がある。日鉄の買収計画が米国で政治問題化する中、クリフスも即座に反論し、異例の舌戦となっている。

 USスチールが21日午前に発表した声明では、「我々が日鉄との取引を解消しようとしていると誤解させるため、偽のうわさを流している」などと批判した。クリフスの幹部が、日鉄の買収計画が実現する見込みはないと繰り返し発言してきたことが念頭にあるとみられる。

 これに対し、クリフスは21日午後、「USスチールは、実現できない契約の責任を我々に押しつけようとしている」などと反論した。

 クリフスは昨年8月にUSスチールへの買収提案を発表したが、USスチールは同12月、日鉄の傘下入りを発表した。米国のバイデン大統領、トランプ前大統領がそろって日鉄の買収計画に慎重な姿勢を示す中、クリフスはUSスチールに買収の再提案を検討していると報じられている。