金与正「ロシアへの兵器輸出」完全否定はプーチンに“使い捨て”された北朝鮮の恨み節

AI要約

金与正党副部長がロシアへの武器輸出に関する誤った説を否定する声明を発表した。

声明では、武器開発は軍事力強化のためであり、輸出意向はないと明言している。

敵対勢力の政治的企図に対抗するため、北朝鮮の軍事力の増強を強調している。

 金正恩(キム・ジョンウン)委員長の妹で、北朝鮮の事実上のナンバー2である金与正(キム・ヨジョン)党副部長が、また吠えた。今度は、日本に関することではなくて、「盟友」であるはずのロシアに関することだ。

 5月17日、「『朝ロ武器取引説』は荒唐な憶測」と題した談話を発表したのだ。以下、全文を訳出する。

■ 対ロ兵器輸出説は「荒唐無稽」

 <すでに報道されているように、最近、わが国防工業部門で、新たな技術的変身を重ねながら、急速な発展を続けているところだ。

 それに対しては、特に他の説明を付け加えることはないが、敵対勢力たちは、われわれが生産している武器体系が、「対ロシア輸出用」であるというおかしな説で世論を混乱させている。それに対して、一度きちんとしておきたいと思う。

 われわれがいまや何度も表明しているように、過誤と虚構で編成された「朝ロ武器取引説」は、何の評価や解析がなされる価値もない最も荒唐な憶測だ。

 最近、われわれが開発と更新をしている武器体系の技術は、公開することのできないものだ。そうだからといって、輸出している可能性自体が論議されるべきではない。

 われわれはわれわれの軍事技術力を、どこへも輸出または公開する意向はない。

■ 「公然の秘密」をなぜ否定

 特に心配されている問題だけに、明白な立場を示す。

 最近、目撃されているわれわれの国防分野の多様な活動は、国防発展5カ年計画に沿ったものである。その目的は徹頭徹尾、わが軍の戦闘力強化を目指したものだ。

 現在、われわれにとって最も急がれる任務となっているのは、「広告」や「輸出」ではなく、軍隊の戦争準備、そして質量ともに戦争抑止力をさらに完璧にすることだ。敵が軍事力で劣勢を克服できないようにすることなのだ。

 「輸出用」という意味のない憶測で、いくらおかしな説を拡散させようとも、実感ができにくいわれわれの軍事力の増加を凝視し、安保上、不安を潜在的に持つことは容易ではないだろう。

 最近、われわれが公開した放射砲やミサイルなどの戦術武器は、ただ一つの使命のためにあつらえられたものだ。

 それはソウルがあらぬことを思わないように作っていて、使うのだということだ。そのことは、隠しもしない。

 韓国軍の軍卒を前面に立て、朝鮮民主主義人民共和国に反対して広がっているアメリカの特異な軍事的威嚇行為が続けば続くほど、そして噂を信じ、無謀な「突進」を訓練しながら、大韓民国が対決的姿勢を引き続き固執するほどに、彼らの脳天には暗雲と呪いの影がさらに濃く落ちることを知らねばならない。

 敵対勢力たちが、わが国家を相手に行う陰険な政治的企図を露骨にさせるのに比例して、われわれは必要な活動をさらに活発に進行するのだ。

 主体113(2024)年5月17日 平壌(完)>

 以上である。なかなか分かりにくい声明だが、要はもはや「公然の秘密」ともなっているロシアへの武器輸出を、わざわざ否定しているのである。